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WEBサービス運営ディレクターが考えるUXデザイナーに必要なスキル

Last updated at Posted at 2016-12-03

人気があるWEBサービスは、どれもUXが工夫されているもの。
今後自社サービスを改善していくためにも、
「UXデザイナーに必要なスキル」を自分なりに整理しました。

そもそも「UX」とは

UXとは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略。
国際規格であるISO 9241-210で次のように定義されています。

製品、システム、サービスを使用した、および/または、使用を予期したことに起因する人の知覚(認知)や反応
(wikipedia「ユーザーエクスペリエンスデザイン」より)

簡単に言うと、
「ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験」

じゃあ「UXデザイン」って?

UXの意味をそのまま繋げると、UXデザインとは
「ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験」を設計すること

・・・。
“体験の設計”が概念的すぎて、何だか分かりにくい。

じゃあ“体験”っていったいなんなの!?というと、これまた概念的な話になるものの、
個人的にしっくりくるのは「UXハニカム構造」。

img.gif

世の中にはUXを説明するための概念図が数多くあるのですが、この図が一番分かりやすかったです。
この図をもとにすると、
“体験”とは「使いやすい」「信頼できる」「役に立つ」などの“ポジティブ”な経験や満足を指しています。
そして、その中心にはユーザーへの「価値」。

ということは、UXデザインとは
「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」を考え、設計すること
とも言えます。

どうすればUXを“設計”できるのか?

UXをデザインするためには、
「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」を考えることが必要。

そのために必要なのは、
- サービスを届けるユーザーを知ること
- 何を、どのように届けるのかを考えること

ではこの2つ、どうすれば実現できる??

色々な書籍や記事を読むと、
世の中にある様々なUXデザインのフレームワークが紹介されています。

一般的な手法としては、
- アクセス解析
- ユーザーアンケート(定量調査)
- ユーザーインタビュー(定性調査)
- ペルソナ作成
- ストーリー作成
- カスタマージャーニーマップ
- プロトタイピング
- ユーザーテスト

いっぱいある。。
たぶん「UXデザイナーになりたい!」って何となく思っている人がこれを見ると、
「UXデザインって何だか大変・・・」
「時間がかかりそうで面倒だな・・・」

と感じるかも。
でも、今までの人生の中でUXデザインを実践している人、結構多いはず。

みんなが実践しているUXデザイン

例えば友達の誕生日。

目的:友達に誕生日プレゼントをあげてお祝いすること

▼実施したこと
- 欲しいものを事前調査
- みんなで誕生日パーティをしよう
- どうせなら友達の好きな食べ物で!
- おいしいお店を調査
- サプライズケーキの準備
- ロウソクを消したら、プレゼントを渡そう
- お店から出るときは記念に写真を

単純に目的を果たすためだけなら、誕生日にプレゼントを渡せばいいだけ。
でも、友達を少しでも喜ばせたい、満足してほしい、という気持ちから、
「友達(ユーザー)を知り、何(プレゼント)を、どのように届けるか」
を考えて設計しています。

UXデザインは、これと同じことを普段の仕事でおこなうだけなのかな、と。
でも、これがなかなか難しい・・・

その理由は、
- サービスを届けるユーザーをはっきりとイメージできていない
- 個人間や部署間で見ている視点やゴールがバラバラ

WEBサービスに関わっているメンバーが、
共通の認識と目標を持てていないということ。

つまり、UXデザインとは
「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」を考え、設計すること
だけでは足りなくて、
「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」をみんなで考え、設計すること
が必要。

企画からおりてきたものを単純に作るだけでなく、
営業、マーケティング、開発みんなでユーザーのことを考えて設計することが大切だと思っています。

本題。UXデザイナーに必要なスキルとは

UXデザインを上記のように定義したとすると、
「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」をみんなで考え、設計し、実行する人
ということになります。

みんなで考える

UXデザイナーは、
周りを巻き込み、UXを意識したアウトプットをする
ことが必要です。

※ちなみに、UXは決して「ユーザー第一主義」ではありません。
「ユーザーのことを考えよう!!」「これがUXだ!!」というように、
感情が一方的過ぎるとサービスとして成立しにくくなります。

設計する

UXデザイナーは、
ユーザーの課題と、ビジネスの課題をまとめて解決できる方向へ、メンバーをリードする
ことが必要です。

“まとめて”という言葉が都合の良い言葉に感じますが、
「みんなの課題を解決するためのアウトプット」を実現するための設計努力をおこなえるか
ということだと思います。

※メンバーをリードする際、みんなが共通の認識・目標を持っていないとスピードは鈍化します。

実行する

当たり前ですが、実行しないと社会に価値を生み出せません。
そのため、UXを組織やチームに取り入れることが目標になると本末転倒です。
それは、あくまで目標に向けての手段に過ぎないからです。

例えば、
- カスタマージャーニーマップを作ってみた。その後のアウトプットは特に無し
- ユーザーヒアリングをおこなった。課題は見えたが、周りに共有しなかった
- フレームワークを多用し、課題を出したが、既にチームが感じている課題と同じだった

大事なのは考えることよりも、課題をどうしたら解決できるかの実行プラン。
そのためにはプロダクトの見た目だけでなく、周りとの折衝や調整、
そして「絶対に実現するんだ」という“想い”が必要です。

まとめ

UXとは

ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験

UXデザインとは

「どうしたらユーザーに素晴らしい価値を届けられるか」をみんなで考え、設計すること

UXデザイナーとは

周りを巻き込みながら、
「みんなの課題を解決するためのアウトプット」を実現するために行動できる人

UXデザイナーは、単に見た目のデザインだけをおこなう人ではありません。
活躍している方々を見ると、
自分たちが作ろうとしているプロダクトの価値を信じて執着できる人が実行力のある人なのかな、
と感じます。

2016年に学んだことをもとに、UXについてまとめてみました。
この記事を自分への戒めとして、来年へと繋げていきたいと思います。

参考元

普段勉強させていただいているブログや書籍の紹介です。

▼ブログ
http://blog.tsubotax.com/
 UI/UX Designer tsubotaxさんの個人サイトです。凄く勉強になります
http://hajipion.com/
 広野 萌さんのブログです。考え方にいつも刺激を受けています
http://uxmilk.jp/
 クリエイターのためのUXメディア「UX MILK」

▼書籍
・IA/UXプラクティス モバイル情報アーキテクチャとUXデザイン

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