もっとgroongaを知ってもらおう!ということで週刊groongaをはじめました。毎週木曜にgroongaやmroonga、rroongaのトピックを投稿予定です。
いよいよ、gihyo.jpさんでgroongaの隔週更新連載が始まりました!!
第7回の記事も公開されたので、一読をおすすめします。
第1回から第6回までの過去記事については、隔週連載groongaのページを参照してください。
はじめに
MySQLで高速に全文検索するためのオープンソースのストレージエンジンとしてmroonga (むるんが)を公開しています。
最新のバージョンは2013年6月29日にリリースした3.05です。
今回は、使いたいMySQLからmroongaをインストールするときのリポジトリを選択するための参考情報を紹介します。
mroongaのパッケージの現状について
mroongaではインストールを簡単に行えるように、各ディストリビューションごとに極力パッケージを提供するようにしています。
mroongaはビルドしたときのMySQLのバージョンに強く依存する都合上、組み合わせの問題が発生します。
ただし、パッケージ提供にかけるリソースは有限なので、ありとあらゆる組み合わせを考慮したパッケージを提供できていません。
この状況を踏まえ、公式以外で有志のかたが独自にパッケージを提供してくれています。
そこで、以下に提供されているパッケージの現状についてまとめてみました。
- 公式で提供しているパッケージについて
- Wingリポジトリで提供しているパッケージについて
- @yoshi_kenさん提供のパッケージについて
公式で提供しているパッケージについて
ディストリビューションの提供しているパッケージに対応したものを提供しているので、ディストリビューションにおいて標準で提供されているMySQLのパッケージで十分な場合は、公式のものを使うのがお勧めです。
項目 | 説明 |
---|---|
メリット | ディストリビューションの標準パッケージでまとめられる。 |
デメリット | MySQL 5.6系を主に使いたい人には向かない。 |
以下にディストリビューションごとの対応情報を示します。
Debian
Debianの場合には、squeezeのみ5.1系であとは5.5系に対応したパッケージを提供しています。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
squeeze | 5.1.66 |
wheezy | 5.5.31 |
jessie | 5.5.31 |
unstable | 5.5.31 |
MySQL 5.6系やMariaDBを使いたい場合にはソースからインストールするなどの対応が必要です。
Ubuntu
UbuntuもDebian同様で、lucidのみ5.1系であとは5.5系に対応したパッケージを提供しています。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
lucid (10.04) | 5.1.69 |
precise (12.04) | 5.5.31 |
quantal (12.10) | 5.5.31 |
raring (13.04) | 5.5.31 |
MySQL 5.6系やMariaDBを使いたい場合にはソースからインストールするなどの対応が必要です。
CentOS
ちょっとだけ特殊なのが、CentOS 5の扱いです。
CentOS 5ではMySQL 5.6系に対応しています。というのもCentOS 5の標準では MySQL のバージョンが5.0.95と古いため、オラクル公式の5.6系のパッケージに対応したパッケージを提供しています。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
CentOS 5 | 5.6.12 |
CentOS 6 | 5.1.69 |
CentOS 6でMySQL 5.6系やMariaDBを使いたい場合にはソースからインストールするなどの対応が必要です。
Fedora
Fedora 18ではMySQL 5.5系に対応したパッケージを提供しています。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
Fedora 18 | 5.5.32 |
Fedora 18でMySQL 5.6系やMariaDBを使いたい場合にはソースからインストールするなどの対応が必要です。
Fedora 19ではMariaDBが採用されたので、今月のリリースからはうまくいけばMariaDBパッケージも提供できるかも知れません。
Wingリポジトリで提供しているパッケージについて
MySQL公式ではなくRHEL/Fedora公式のsrpmをベースとしたMySQL 5.5,5.6用またはMariaDB 5.5用に合わせてビルドしたmroongaを公開してくれているのが、Wingリポジトリです。
MySQL 5.5系もしくは5.6系を使いたいけど、mroonga公式だと対応していないし、という場合にはこちらのリポジトリを利用するのがおすすめです。
項目 | 説明 |
---|---|
メリット | 5.5系のみならず5.6系のパッケージもあるなど幅広く取り揃えている。 |
デメリット | epelでないパッケージとの併用がおすすめできない。あくまでオラクル公式のMySQLパッケージを利用したいなら向かない。 |
以下にパッケージの対応情報を示します。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
CentOS 5 | MySQL 5.1.69 |
CentOS 5 | MySQL 5.5.32 |
CentOS 5 | MySQL 5.6.12 |
CentOS 6 | MariaDB 5.5.31 |
CentOS 6 | MySQL 5.5.32 |
CentOS 6 | MySQL 5.6.12 |
epelに依存したパッケージでまとめるならこちらを利用するのが良いでしょう。
@yoshi_kenさん提供のパッケージについて
CentOS 6でもオラクル公式のMySQL 5.6を使いたいという場合には、@yoshi_kenさんが提供しているパッケージを利用するのがおすすめです。
項目 | 説明 |
---|---|
メリット | CentOS 6でもオラクル公式のMySQL 5.6系を利用して構築できる。 |
デメリット | 特になし |
以下にパッケージの対応情報を示します。
リリース | MySQLのバージョン |
---|---|
CentOS 6 | 5.6.12 |
導入方法などの詳細はCentOS6.xに最新版のMySQL5.6とmroongaを最速でRPMインストールする方法を参照してください。
まとめ
今回は、使いたいMySQLに応じてどのmroongaリポジトリを利用すべきかについて参考情報を紹介しました。
上記参考情報をもとにインストールができたら、次にmroongaの基本的な動作を知るためのユーザガイドがありますので試してみてください。