はじめに
Travis CIでObjective-Cプロジェクトをビルドする場合、デフォルトでxctoolが実行されるが(Building an Objective-C Project)、xctool自体の問題でエラーになることがある。
このため、xctool
ではなくxcodebuild
を使用する設定ファイル(.travis.yml
)を紹介する。
ビルドのカスタマイズ
Travis CIのビルドは2つのステップで構成される:
-
install
: 必要な依存物をインストール -
script
: ビルドスクリプトを実行
インストールステップ、スクリプトステップに加え、インストールステップの前、スクリプトステップの前後でカスタムコマンドを実行することができる。詳細はCustomizing the Buildを参照のこと。
設定ファイル(.travis.yml
)のサンプル
language: objective-c
osx_image: xcode7
before_install:
- gem install xcpretty
before_script:
- set -o pipefail
script:
- xcodebuild -project name.xcodeproj -scheme schemename -destination destinationspecifier -sdk sdkname test | xcpretty -c
各行の説明
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language
- 言語(
objective-c
)を指定する。
- 言語(
-
osx_image
- Xcode / SDKを指定してする。
- 対応バージョンはSupported OS X/iOS SDK versionsを参照のこと。
-
before_install
-
xcodebuild
の結果を見やすくするためにxcprettyをinstall
の前にインストールする。
-
-
before_script
-
xcodebuild
でのエラーを取得するためにpipefail
オプションを有効にする。
-
-
script
-
xcodebuild
を実行し、結果をxcpretty
に渡すようにスクリプトステップを上書きする。 -
xcodebuild
で必要なパラメータは以下の通り:-
-project
: ビルドするプロジェクト名。(例:TravisCI.xcodeproj
) -
-scheme
: ビルドするスキーム。(例:TravisCI
) -
-destination
: ビルド先のデバイス。詳細はman xcodebuild
を参照のこと。(例:'platform=iOS Simulator,name=iPhone 6s'
) -
-sdk
: 使用するSDK名。詳細はxcodebuild -showsdks
を参照のこと。(例:iphonesimulator
)
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