世の中には
JavaScriptに目覚めた魔王から世界を救うためにJavaScriptを学ぶ必要が出てきたり、
知らない言語なのにいきなり仕様書を渡されて「JavaScriptでコレ作って」なんて言われる事はよくあると思います。
そんなときの手助けになれば。
「Webに沢山資料あるから大丈夫」
このセリフを聞いたらやばいです。参考書を買ってもらえる望みは薄いでしょう。
JavaScriptに関してはWebに沢山資料があるのは事実ですが、
資料の質は玉石混淆です。
真似をしてもいいコードと悪いコードは初心者に分別するのは不可能だと思います。
で、終わってしまっては世界が滅んでしまうので、
とりあえず参考にならないだろうページを見抜くコツを教えます。
※基本的にES5以降のJavaScriptを習得したいひと向けの記事です
"JavaScript"が正しく書けていない
コードではなく単純にJavaScriptと書けていないページがWebには転がっています。
正式名称を知らない著者が仕様の詳細を踏まえてコーディングしてるとは思えません。
そっと閉じてあげましょう。
よくあるワード
-
Javascript
"JavaScript"の正式名称では"S"は大文字です。
ただの大文字と小文字の違いですが、
プログラミングにおいて大文字小文字は意味があります。
:
と;
の違いで人工衛星が落ちる業界です。
javascript(すべて小文字)のほうがまだマシだと思います。
数カ所の違いであれば、タイプミスかもしれませんが
全部だと流石に怪しいです。
そっと閉じましょう。 -
Javaスクリプト
恐らく相当古い時代の記事です。
JavaとJavaScriptがよく混同されてた時代の遺跡かもしれません。
そっと閉じましょう。 -
JScript
JavaScript互換の言語ですが、JScriptはJavaScriptではありません。
IE8以下のブラウザ対象というような特殊な環境であれば必要ですが...
学びたいのがモダンなJavaScriptであればそっと閉じて他のサイトを選びましょう。
仕様のバージョンが書いていない
JavaScriptの仕様にはバージョンがあります。
参考にしようとしているページにECMAScript(ES)という言葉が出てこなかったら気をつけてください。
特殊な環境向けのものでなければES5より大きいものを使えばいいと思います。
IE9以降でだいたい動きます。
詳しいブラウザの対応バージョンはこちらでわかります。
http://caniuse.com/#search=es5
IE切り捨てていいならES6を使いたいところですね。
なかなかできないでしょうが…
対応ブラウザが書いていない
JavaScriptの実行環境であるブラウザは結構重要な情報です。
同じソースコードでもブラウザを変えれば動かないなんてザラですし、
ブラウザのバージョンでも動いたり動かなかったりします。
仕様のバージョンが書いてあれば対応ブラウザは自明ですが、
どちらもない場合は気をつけましょう。
日付が書いていない
論外です。
時間の分からない情報に意味はありません。
「本能寺が火事」という情報が今なのか、織田信長が生きているときの情報なのかで全く価値が変わるように。
変化の多いWeb界隈の話で、いつの情報なのかわからなければあまり価値はないです。
使われているjQueryのバージョンが1系
HTMLのソースにjQueryを読んでるものも多いと思います。
jQuery1.?.?のようなバージョンは古いブラウザ向けのjQueryです。
2系も一緒に読み込んでいるものならばいいですが、単独だと古いブラウザ向けのソースの可能性が高いです。
scriptの属性の書き方が古い
<script language="JavaScript"></script>
この書き方はHTML4.0以前のもののため古い情報でしょう。
HTML4.01以降は
<script type="text/javascript"></script>
HTML5であれば省略可能のためそもそもいりません。
<script></script>
結局一番早いのは書籍
ここまで記事の質の見分け方を散々説明しましたが、
「JavaScript考古学」で悩むより
手っ取り早いのは書籍だと思います。
自分の場合は次の本を読みました。
- オブジェクト指向JavaScriptの原則(http://amzn.to/2cLjliF)
- JavaScript: The Good Parts ―「良いパーツ」によるベストプラクティス(http://amzn.to/2dRdoGa)
- JavaScriptリファレンス 第6版(http://amzn.to/2dz7t4b)
1つ目は「オブジェクト指向JavaScriptの原則」で他言語出身者向けにわかりやすく解説してあります。
まったくオブジェクト指向の言語をやっていなければあんまり近道にはならないかもしれません。
2つ目は定番ですが「JavaScript: The Good Parts」です。
JavaScriptのヤバさが詰まっています。
「typeof null
をすると"object"
」だったり 「NaN != NaN
がtrue
になる」とかそういう話が詰まってます。
もうバリバリ書けるってひとも、後半にあるBad Partsだけでも一度目を通すといいと思います。
3つ目はリファレンスです。
とても眠くなるのであまり強くおすすめできませんが、
コアとクライアントサイドをそれぞれA-Zまで読むとJavaScript(ES5)とjQueryについて結構詳しくなれます。
Web(JavaScript)で何ができるのかが分かるのでおすすめです。