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Angluar2のクイックスタートとチュートリアルを実施 - その6

Last updated at Posted at 2016-09-21

前回の投稿Angluar2のクイックスタートとチュートリアルを実施 - その5の続きです。
前回作成したソースを使用します。

本章ではルーティング(=画面遷移)を学びます。ナビゲーションとも呼びます。ビューからビューへの移動を定義します。

本章は結構長いです...

本投稿の参照元(英語)

Routing - ts

本章で学ぶこと

前述のほか、以下を学びます。

  • ダッシュボード1ビューを追加する
  • ルーターによりヒーロー一覧とダッシュボードビューを切り替える
  • HeroServiceを複数コンポーネントで共有する
  • htmlとcssを外部ファイルに移動する
  • パイプuppercaseの使い方を学ぶ

ナビゲーションのイメージは以下です。(公式より拝借)

イメージ

実行結果

本章を完了すると以下リンク先のようなものが出来上がります。
尚、右上の青いボタンを押すことで全画面表示を行うことができます。
上図の実際の動きがわかります。
live-examples

事前準備

以下のコマンドによりサーバの起動を行います。プログラムの変更が即座にブラウザに反映されます。(サーバを落としていなければ不要です。)

cd angular2-tour-of-heroes
npm start

参考

公式のRouting and Navigation(英語)では、本章についてのより詳細な情報が記載されています。

計画

以下の計画に沿って実施します

  • AppComponentの役割をナビゲーションのハンドルだけにする
  • ヒーロー一覧をAppComponentからHeroesComponentに移す
  • ルーティングを作成する
  • DashboardComponentを作成する
  • ダッシュボードにナビゲーション構造を持たせる

AppComponentを分割

現在はAppComponentをロードするとヒーロー一覧を即座に表示しますが、画面の遷移を行うシェルにし、その他のことは他のコンポーネントにまかせます。
AppComponentクラスからヒーロー一覧をHeroesComponentに移動させましょう。

HeroesComponent

AppComponentは既にヒーロー一覧用のプログラムなので、そのままHeroesComponentに変更します。以下のリネームを実施します。

種別 変更前 変更後
ファイル名 app/app.component.ts app/heroes.component.ts
クラス名 AppComponent HeroesComponent
@Componentデコレータのselector my-app my-heroes

新しいAppComponent

新しいapp/app.component.tsはアプリケーションシェルにします。いくつかのコンポーネントへのリンクを画面上部に表示し、ページへナビゲートします。まず以下を行います。

  • app/app.component.tsファイルを作成する

  • app/app.component.tsでやること・・・

    • AppComponentクラスの定義
    • @Componentデコレータとmy-appセレクタの追加
    • HeroesComponentからAppComponentへ以下を移動させる
      • title クラスプロパティ
      • @Componentのテンプレートの <h1> 要素。これは、titleのバインドを含む
    • @Componentのテンプレートに<my-heroes> 要素を追加し、ヒーロー一覧を表示
      させる
    • Componentのインポート
  • app/app.module.tsでやること・・・

    • @AppModuledeclarations配列にHeroesComponentを追加し<my-heroes>タグを使用可能にする
    • @AppModuleprovidersHeroServiceを追加
  • app/heroes.component.tsでやること・・・

    • @Componentprovidersを削除

結果app/app.component.ts, app/app.module.tsは以下の様になります。

app/app.component.ts
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <h1>{{title}}</h1>
    <my-heroes></my-heroes>
  `
})
export class AppComponent {
  title = 'Tour of Heroes';
}
app/app.module.ts
import { NgModule }       from '@angular/core';
import { BrowserModule }  from '@angular/platform-browser';
import { FormsModule }    from '@angular/forms';
import { AppComponent }        from './app.component';
import { HeroDetailComponent } from './hero-detail.component';
import { HeroesComponent }     from './heroes.component';
import { HeroService }         from './hero.service';
@NgModule({
  imports: [
    BrowserModule,
    FormsModule
  ],
  declarations: [
    AppComponent,
    HeroDetailComponent,
    HeroesComponent
  ],
  providers: [
    HeroService
  ],
  bootstrap: [ AppComponent ]
})
export class AppModule {
}

この段階でもまだアプリケーションは動作します。リファクタリングによる問題はおきません。

ベースタグの追加

index.html<head>セクションの下に<base href="/">タグを追加します。

index.html
<head>
  <base href="/">

base hrefは必要です。理由はRouter#base-href(英語)に記載があります。

ルーティングの追加

今まで、自動的にヒーロー一覧を表示していた代わりに、ボタンをクリックしたら表示するように変更します。これには_コンポーネントルーター_を使用します。
Angularのルーターは外側におり、オプションモジュールで、RouterModuleと呼ばれます。
ルーターは複数の提供サービス(RouterModule)と、複数のディレクティブ(RouterOutlet, RouterLink, RouterLinkActive)と、設定ファイル(Routes)の組み合わせからなります。最初に行うのは設定です。

route2の設定

まだこのアプリは何のrouteも設定していません。コンフィグファイルを作りアプリケーションrouteを設定します。
_Routes_はユーザがボタンをクリックしたり、URLを貼り付けたときに、どのビューを表示するかをルーターに伝えます。
app/app.routing.tsファイルを作成し、HeroesComponentへのrouteを定義します。

app/app.routing.ts
import { ModuleWithProviders }  from '@angular/core';
import { Routes, RouterModule } from '@angular/router';

import { HeroesComponent }      from './heroes.component';

const appRoutes: Routes = [
  {
    path: 'heroes',
    component: HeroesComponent
  }
];

Routesはroute定義の配列です。現在routeはHeroesComponetへの一つだけしかないですが後で追加します。_route_の定義は以下からなります。

  • path: routerがこのパスとブラウザのURLの一致を確認する(この場合heroes)
  • component: このrouteにナビゲートされたときルーターが作成するコンポーネント (この場合HeroesComponent)

Routesの詳細は、公式のRouting(英語)にあります。

routing定数を宣言し、他で使用できるようにエクスポートします。この値はRouterModule.forRootメソッドの戻り値です。このメソッドはroutesを引数に、configured router moduleを返します。AppModule@NgModuleにそれを追加します。

app/app.routing.ts
export const routing: ModuleWithProviders = RouterModule.forRoot(appRoutes);

forRootと呼ばれる理由は、アプリケーションroot(AppModule)用のルーターを提供するためです。forRootメソッドはルーターサービスのプロバイダーとディレクティブを返します。これらはルーティングに使用します。

利用可能なルーターの作成

app/app.routing.tsに初期設定をしました。rootモジュールのNgModuleにそれを追加しましょう。routing定数をapp.routing.tsからインポートし、AppModule imports配列に追加します。

app/app.module.ts
import { routing } from './app.routing';

@NgModule({
  imports: [
    BrowserModule,
    FormsModule,
    routing
  ],
})
export class AppModule {
}

Router Outlet(ルーターの出口)

ブラウザのアドレスバーに/heroesを入れるとHeroesComponentを表示しますが、ページのどこに表示するかは、テンプレートの<router-outlet>要素によって定めます。
RouterOutletRouterModuleにより提供されるディレクティブの一つです。
ルーターは各コンポーネントを<router-outlet>の場所に表示します。

Router Links(ルーターリンク)

アプリ利用者により、route URLをアドレスバーに貼り付けられることを想定していません。テンプレートにアンカータグを追加することで、クリックされた際にHeroesComponentへナビゲートします。

app/app.component.ts
template: `
   <h1>{{title}}</h1>
   <a routerLink="/heroes">Heroes</a>
   <router-outlet></router-outlet>
 `

routerLinkは、アンカータグにバインドされています。RouterLinkディレクティブはリンクをクリックしたとき、指定した文字列(ここでは/heroes)がどこへナビゲートするかをルーターへ伝えます。
直接のリンクをやめたため、ルートパスへルーティング指示をワンタイムバインディングとして定義します。route設定をもう一度確認してください。'/heroes'をHeroesComponentへ通しています。

公式のRouting#link-parameters-array(英語)で、直接のルーターリンクや、リンクパラメータ配列について学べます。

ブラウザを更新すると、タイトルとheroesリンクだけになり、ヒーロー一覧が見えなくなります。
現在、ブラウザーのアドレスバーは/を指定しています。HeroesComponentを表示するのは/heroesなので何も見えません。後で対応します。アドレスを/heroesに変えれば、ヒーロー一覧が表示されます。

本項により、AppComponentは以下の様になりました。

app/app.component.ts
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
     <h1>{{title}}</h1>
     <a routerLink="/heroes">Heroes</a>
     <router-outlet></router-outlet>
   `
})
export class AppComponent {
  title = 'Tour of Heroes';
}

AppComponentは、ルーターとrouteされたビューが結びつけられました。このようなコンポーネントを_ルーターコンポーネント_と呼びます。

ダッシュボード1の追加

ルーティングは複数のビューがあってこそ意味をなします。新しいビューを作ります。
app/dashboard.component.tsを以下の様に作成します。

app/dashboard.component.ts
import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-dashboard',
  template: '<h3>My Dashboard</h3>'
})
export class DashboardComponent { }

後で役に立つように変更します。

ダッシュボードのroute設定

ダッシュボードのビューが表示されるように、app/app.routing.tsRoutesに定義を追加します。

app/app.routing.ts
{
  path: 'dashboard',
  component: DashboardComponent
},

rootモジュールであるAppModuleクラスNgModuledeclarations配列に、DashboardComponentを追加します。

app/app.module.ts
declarations: [
  AppComponent,
  DashboardComponent,
  HeroDetailComponent,
  HeroesComponent
],

リダイレクトの設定

アプリケーションの開始時にアドレスバー/dashboardを表示し、ダッシュボードを表示します。これにはリダイレクトを使用します。
以下の様にapp/app.routing.tsを変更します。

app/app.routing.ts
{
  path: '',
  redirectTo: '/dashboard',
  pathMatch: 'full'
},

リダイレクトについての詳細は、公式のRouter(英語)にあります。

テンプレートにナビゲーションを追加

最後に、ヒーロー一覧より前に、ダッシュボードのリンクを追加します。

app/app.component.ts
template: `
   <h1>{{title}}</h1>
   <nav>
     <a routerLink="/dashboard">Dashboard</a>
     <a routerLink="/heroes">Heroes</a>
   </nav>
   <router-outlet></router-outlet>

リンクを<nav>タグ内に記載していますが、今は何も機能しません。後でスタイルを追加するときに便利なのでタグを記載します。

ブラウザで、アプリケーションroot(/)を表示するとダッシュボードが表示され、ダッシュボードとヒーロー一覧へのリンクが表示されます。

ダッシュボードのトップヒーロー一覧

dashboard.component.tsのhtmlテンプレートを外部テンプレートファイルに変更します。以下の様にtemplateの部分をtemplateUrlに変更してください。
ファイル名はapp/dashboard.component.htmlとします。

app/dashboard.component.ts
templateUrl: 'app/dashboard.component.html',

なお、Angularでは相対パスはサポートしていませんので、アプリケーションルートからの絶対パスでURLを指定する必要があります。(今回の場合app/dashboard.component.html)
中身を以下の様に定義します。

app/dashboard.component.html
<h3>Top Heroes</h3>
<div class="grid grid-pad">
  <div *ngFor="let hero of heroes" (click)="gotoDetail(hero)" class="col-1-4">
    <div class="module hero">
      <h4>{{hero.name}}</h4>
    </div>
  </div>
</div>

もう一度、ヒーロー一覧のイテレートのために*ngForを使用しヒーロー名を表示します。本章の後でスタイルを追加するために、<div>を入れています。
また、(clock)にバインドしているgotoDetail()メソッドも後で追加します。

ヒーローサービスの共有

ダッシューボードがヒーロー情報を取得するためにHeroServiceを再利用します。
本章の序盤でHeroServiceHeroesComponentのプロバイダからAppModuleのプロバイダに移動しました。これにより、すべてのコンポーネントでシングルトンインスタンスのHeroServiceを使うことができます。

ヒーローの取得

app/dashboard.component.tsのインポート記載部分を以下の様にします。

app/dashboard.component.ts
import { Component, OnInit } from '@angular/core';

import { Hero } from './hero';
import { HeroService } from './hero.service';

また、DashboardComponentを以下の様に実装します。

app/dashboard.component.ts
export class DashboardComponent implements OnInit {

  heroes: Hero[] = [];

  constructor(private heroService: HeroService) { }

  ngOnInit(): void {
    this.heroService.getHeroes()
      .then(heroes => this.heroes = heroes.slice(1, 5));
  }

  gotoDetail(hero: Hero): void { /* まだ実装しない */}
}

HeroesComponentと同じ様なものですが、ヒーロー一覧から4人(2番目〜5番目)を取得しているところと、スタブgotoDetailを用意しているところが異なります。

ブラウザ上で4人のヒーローが表示されていることを確認できます。

ヒーロー詳細への画面遷移

HeroesComponentの下に表示していたヒーロー詳細ですが、現在3つの方法で詳細を表示する必要があります。

  • ダッシュボードから選択したヒーロー
  • ヒーロー一覧から選択したヒーロー
  • URLから直接入力されたもの

ヒーロー詳細へのルートを個別の場所に表示する様に追加します。

ヒーロー詳細へのroute

app/app.routing.tsHeroDetailComponentへのrouteを追加します。
新しいrouteはちょっと普通と違う方法をとります。HeroDetailComponentを使用しますが、呼び出し元のHeroesComponentにもDashboardComponentにも呼び出す方法を持っていません。現在HeroesComponentheroプロパティをセットする場合以下のようにバインドしています。

<my-hero-detail [hero]="selectedHero"></my-hero-detail>

これは明白にほかのシナリオでは動きません。

routeの調整

URLで、ヒーローのidを以下のように指定することで実現します。

/detail/11

detailは定数です。数字部分は変数で、このパラメータをヒーローのidとするルートが必要です。

Routeの設定

以下の様にrouteを定義します。

app/app.routing.ts
{
  path: 'detail/:id',
  component: HeroDetailComponent
},

:idのコロンはプレースホルダーでHeroDetailComponentへ遷移させるときヒーローのidとして使用します。

これで、アプリケーションのrouteの作成は完了です。
'Hero Detail'からのテンプレートへのリンクは作成しません。なぜなら、利用者は特定のヒーローへのナビゲーションはクリックしないからです。利用者は、ダッシュボードか、ヒーロー一覧をクリックします。
後の項で、ヒーローをクリックしたときの動きを取得します。

HeroDetailComponentの修正

HeroDetailComponentを書き換えます。

app/hero-detail.component.ts

import { Component, Input } from '@angular/core';
import { Hero } from './hero';
@Component({
  selector: 'my-hero-detail',
  template: `
    <div *ngIf="hero">
      <h2>{{hero.name}} details!</h2>
      <div>
        <label>id: </label>{{hero.id}}
      </div>
      <div>
        <label>name: </label>
        <input [(ngModel)]="hero.name" placeholder="name"/>
      </div>
    </div>
  `
})
export class HeroDetailComponent {
  @Input() hero: Hero;
}

テンプレート部分は変更しません。大きな変更点はどうやってヒーローを取得するかの部分です。もう、親のコンポーネントからヒーロー情報を取得することをやめ、新しいHeroDetailComponentActivatedRouteサービスのparamsobservable3からのidパラメータとHeroServiceidから取得したheroを使います。

まず、必要なものをインポートします

app/hero-detail.component.ts
// まだ、Inputは残しますが, 後で消します。
import { Component, Input, OnInit } from '@angular/core';
import { ActivatedRoute, Params } from '@angular/router';

import { HeroService } from './hero.service';

コンストラクタに、privateなActivatedRouteサービスとHeroServiceサービスを定義します。

app/hero-detail.component.ts
constructor(
  private heroService: HeroService,
  private route: ActivatedRoute) {
}

HeroDetailComponentクラスにOnInitインタフェースを実装します。

export class HeroDetailComponent implements OnInit {

ngOnInitライフサイクルフック内で、ActivatedRouteサービスのparamsobservableからidパラメータを取り出しHeroServiceidからヒーローを取得します。

app/hero-detail.component.ts
ngOnInit(): void {
  this.route.params.forEach((params: Params) => {
    let id = +params['id'];
    this.heroService.getHero(id)
      .then(hero => this.hero = hero);
  });
}

forEachメソッドによりidを取得しています。forEachはrouteパラメータ配列を提供します。idは数値型(number)です。routeパラメータは通常、文字列型(string)です。Javascriptの(+)演算子により、routeパラメータを数値型に型変換しています。

ヒーローサービスクラスへgetHero()メソッドの追加

HeroServicegetHero()メソッドを追加します。getHero()メソッドでは、getHeroes()メソッドで取得したヒーロー一覧をidでフィルタします。

app/hero.service.ts
getHero(id: number): Promise<Hero> {
  return this.getHeroes()
             .then(heroes => heroes.find(hero => hero.id === id));
}

画面の戻りかた

複数の方法でHeroDetailComponentへ画面遷移できますが他への遷移はどうやるのでしょうか。
AppComponentから二つのリンクをクリックできます。また戻るボタンでも移動できます。第三の方法としてgoBackメソッドにより、ブラウザのヒストリースタックを使用して戻る方法4があります。

app/hero-detail.component.ts
goBack(): void {
  window.history.back();
}

アプリケーション外まで戻ることは、このチュートリアルでは許容していますが、実際のアプリでは抑止したいものです。CanDeactivate guard(英語)で方法が学べるはずです。
goBack()メソッドをコンポーネントのテンプレートに以下の様に追加し、バインドします。

<button (click)="goBack()">Back</button>

この追加したボタンと一緒に、ヒーロー詳細を表示するテンプレートを別ファイルapp/hero-detail.component.htmlに移します。

app/hero-detail.component.html
<div *ngIf="hero">
  <h2>{{hero.name}} details!</h2>
  <div>
    <label>id: </label>{{hero.id}}</div>
  <div>
    <label>name: </label>
    <input [(ngModel)]="hero.name" placeholder="name" />
  </div>
  <button (click)="goBack()">Back</button>
</div>

app/hero-detail.component.ts側はテンプレートからテンプレートURLに変更し、htmlファイルを読み込みます。

app/hero-detail.component.ts
templateUrl: 'app/hero-detail.component.html',

ブラウザを更新し、結果を確認してください。

ダッシュボードからヒーローを選択する

ダッシュボードからヒーローが選択されたとき、ヒーロー詳細を表示/編集可能にするべきです。ダッシュボードのテンプレートでは各ヒーローをクリックするとgotoDetail()メソッドを呼び出します。

app/dashboard.component.html
<div *ngFor="let hero of heroes" (click)="gotoDetail(hero)" class="col-1-4">

スタブ化していたgotoDetail()を今、実装します。

app/dashboard.component.ts
gotoDetail(hero: Hero): void {
  let link = ['/detail', hero.id];
  this.router.navigate(link);
}

gotoDetailメソッドは以下の2ステップにより画面遷移します。

  1. _link_配列にrouteパラメータを格納
  2. routernavigateメソッドにそれを渡す

画面遷移を行うために以前AppComponentのテンプレートにルーターリンクを実装しました。これらのリンクは一つの要素のみ持ちますが、今回のパラメータ配列は2つの要素を持ちます。目的のrouteのpathとヒーローのidをセットするroute parameterです。
この二つのアイテムpath:idは以前、app.routing.tsにパラメータ化しています。

app/app.routing.ts
{
  path: 'detail/:id',
  component: HeroDetailComponent
},

DashboardComponentはまだルーターを持っていません。インポートしてコンストラクタに登録します。

import { Router } from '@angular/router';
constructor(
  private router: Router,
  private heroService: HeroService) {
}

ブラウザを更新しダッシュボードからヒーローを選択すると、ヒーロー詳細に画面遷移します

HeroesComponentからのヒーローの選択

HeroesComponentにも同じ様に実装します。
このコンポーネントは現在、"マスター/ディティール"の形式(一覧と詳細)をとっています。

app/heroes.component.ts
template: `
  <h1>{{title}}</h1>
  <h2>My Heroes</h2>
  <ul class="heroes">
    <li *ngFor="let hero of heroes"
      [class.selected]="hero === selectedHero"
      (click)="onSelect(hero)">
      <span class="badge">{{hero.id}}</span> {{hero.name}}
    </li>
  </ul>
  <my-hero-detail [hero]="selectedHero"></my-hero-detail>
`,

<h1>タグを削除します。AppComponentからHeroesComponentに変更したときのごみです。次に<my-hero-detail>タグも削除します。もうここにはヒーロー詳細を表示しません。ヒーロー詳細は専用のページを用意し、ダッシュボードと同様、そのページへのrouteを作ります。
ここでちょっとひねった方法をとります。ヒーロー一覧からヒーローを選択しても、すぐにはヒーロー詳細を表示せずに、まずはミニ詳細を代わりに表示し、ミニ詳細に表示されたボタンをクリックすることで、フルの詳細ページに移動するようにします。

ミニ詳細の追加

<my-hero-detail>の場所に以下のhtmlの一部を追加します。

<div *ngIf="selectedHero">
  <h2>
    {{selectedHero.name | uppercase}} is my hero
  </h2>
  <button (click)="gotoDetail()">View Details</button>
</div>

ヒーロークリックにより、以下の様なものがヒーロー一覧の下に表示されます。

イメージ

パイプによる大文字変換

パイプ演算子(|)とuppercaseパイプにより表示文字を大文字に変更できます。

{{selectedHero.name | uppercase}} is my hero

パイプは「文字列のフォーマット」「通貨単位」「日付」などを表示するには、いい方法です。Angularにはいくつかのパイプと書き方が用意されています。
詳細は公式のPipes(英語)に記載されています。

コンポーネント外に内容を移す

まだミニ詳細の[View Details]ボタンを押したときにHeroDetailComponentへ画面遷移する機能に対応していませんが、ヒーロー一覧コンポーネントは非常に大きく、ほとんどはcss部分です。htmlとcssを他のファイルに移動します。
以下のマイグレーションを行います。

  1. htmlテンプレート部分をapp/heroes.component.htmlにカット&ペースト
  2. スタイル部分をheroes.component.cssにカット&ペースト
  3. @ComponentデコレータにtemplateUrlstyleUrlsプロパティを追加し、それぞれのファイルパスを記載

styleUrlsプロパティは、スタイルシートのファイルパスの配列です。必要に応じ複数のスタイルを適用できます。

app/heroes.component.ts
@Component({
  selector: 'my-heroes',
  templateUrl: 'app/heroes.component.html',
  styleUrls:  ['app/heroes.component.css']
})

ダッシュボードと同じ様にコンポーネントクラスを更新します

  1. routerをインポート
  2. コンストラクタでrouterをインジェクト
  3. router.navigateメソッドに呼ばれるgotoDetailメソッドの実装

app/heroes.component.tsは以下の様に修正されます。

app/heroes.component.ts
export class HeroesComponent implements OnInit {
  heroes: Hero[];
  selectedHero: Hero;

  constructor(
    private router: Router,
    private heroService: HeroService) { }

  getHeroes(): void {
    this.heroService.getHeroes().then(heroes => this.heroes = heroes);
  }

  ngOnInit(): void {
    this.getHeroes();
  }

  onSelect(hero: Hero): void {
    this.selectedHero = hero;
  }

  gotoDetail(): void {
    this.router.navigate(['/detail', this.selectedHero.id]);
  }
}

ブラウザを更新しクリックするとナビゲートできるようになります。ダッシュボードから、詳細へいったり、ダッシュボードに戻ったり、ヒーロー一覧から、ミニ詳細を通して、ヒーロー詳細を表示したり、ヒーロー一覧へ戻ったりができます。
本章の機能の実現は以上です。

アプリケーションのスタイル

機能は実現できましたが、見た目がイマイチです。cssを変更します。

ダッシュボードのスタイル

app/dashboard.component.ts@Componentデコレータに以下を追加します。

app/dashboard.component.ts
styleUrls: ['app/dashboard.component.css']

洒落たヒーロー詳細

DashboardComponentからheroプロパティ、@Inputデコレータとそれらをインポートしているインポート句を削除し、以下のcssファイルを追加します。

app/hero-detail.component.css
label {
  display: inline-block;
  width: 3em;
  margin: .5em 0;
  color: #607D8B;
  font-weight: bold;
}
input {
  height: 2em;
  font-size: 1em;
  padding-left: .4em;
}
button {
  margin-top: 20px;
  font-family: Arial;
  background-color: #eee;
  border: none;
  padding: 5px 10px;
  border-radius: 4px;
  cursor: pointer; cursor: hand;
}
button:hover {
  background-color: #cfd8dc;
}
button:disabled {
  background-color: #eee;
  color: #ccc; 
  cursor: auto;
}
app/dashboard.component.css
[class*='col-'] {
  float: left;
}
*, *:after, *:before {
    -webkit-box-sizing: border-box;
    -moz-box-sizing: border-box;
    box-sizing: border-box;
}
h3 {
  text-align: center; margin-bottom: 0;
}
[class*='col-'] {
  padding-right: 20px;
  padding-bottom: 20px;
}
[class*='col-']:last-of-type {
  padding-right: 0;
}
.grid {
  margin: 0;
}
.col-1-4 {
  width: 25%;
}
.module {
    padding: 20px;
    text-align: center;
    color: #eee;
    max-height: 120px;
    min-width: 120px;
    background-color: #607D8B;
    border-radius: 2px;
}
h4 {
  position: relative;
}
.module:hover {
  background-color: #EEE;
  cursor: pointer;
  color: #607d8b;
}
.grid-pad {
  padding: 10px 0;
}
.grid-pad > [class*='col-']:last-of-type {
  padding-right: 20px;
}
@media (max-width: 600px) {
    .module {
      font-size: 10px;
      max-height: 75px; }
}
@media (max-width: 1024px) {
    .grid {
      margin: 0;
    }
    .module {
      min-width: 60px;
    }
}

ナビゲーションリンクのスタイル

AppComponent<nav>タグにもスタイルを適用します。
app/app.component.cssを追加します。

app/app.component.css
h1 {
  font-size: 1.2em;
  color: #999;
  margin-bottom: 0;
}
h2 {
  font-size: 2em;
  margin-top: 0;
  padding-top: 0;
}
nav a {
  padding: 5px 10px;
  text-decoration: none;
  margin-top: 10px;
  display: inline-block;
  background-color: #eee;
  border-radius: 4px;
}
nav a:visited, a:link {
  color: #607D8B;
}
nav a:hover {
  color: #039be5;
  background-color: #CFD8DC;
}
nav a.active {
  color: #039be5;
}

_routerLinkActive_ディレクティブ

Angularでは、routerLinkActiveディレクティブが提供されています。htmlナビゲーション要素に追加することでrouteがアクティブなrouteになったときのcssが定義できます。

app/app.component.ts
template: `
  <h1>{{title}}</h1>
  <nav>
    <a routerLink="/dashboard" routerLinkActive="active">Dashboard</a>
    <a routerLink="/heroes" routerLinkActive="active">Heroes</a>
  </nav>
  <router-outlet></router-outlet>
`,

AppComponentstylesプロパティからstyleUrlsプロパティに変更します。

app/app.component.ts
styleUrls: ['app/app.component.css'],

グローバルアプリケーションスタイル

アプリケーションの外へスタイルを作成できます。
ベーシックなスタイルをアプリに適用する場合、クイックスタートスタイルシートの追加で紹介した方法を用います。

styles.css_抜粋
/* Master Styles */
h1 {
  color: #369;
  font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;
  font-size: 250%;
}
h2, h3 {
  color: #444;
  font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;
  font-weight: lighter;
}
body {
  margin: 2em;
}
body, input[text], button {
  color: #888;
  font-family: Cambria, Georgia;
}
/* . . . */
/* everywhere else */
* {
  font-family: Arial, Helvetica, sans-serif;
}

スタイルシートの全文は公式のこちらです。
必要に応じてindex.htmlをスタイルシートを参照する様に変更します。

index.html
<link rel="stylesheet" href="styles.css">

現在の見た目は以下の様になります。

イメージ


本章は以上です。まだこのアプリでは、リモートデータアクセスを実装していません。次章ではモックデータを置換し、httpを使ってデータを取得する方法の説明を行います。


  1. ダッシュボードとは「複数の情報源からデータを集め、概要をまとめて一覧表示する機能や画面、ソフトウェアのこと。」らしいです。IT用語辞典 @e-words 2

  2. ルートと書くと、rootなのかrouteなのか分かりづらいのでアルファベットで記載します。root=根、route=道です。一応。

  3. observableについては次章で説明をします。

  4. Javascriptのリファレンスを確認してください。window.history.back()メソッド@アルファシス

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