2017年3月26日追記
bpushは2年弱の運営の後、OSSとして生まれ変わりました。詳しくは下記の記事をご覧ください。
国内初のウェブプッシュサービスbpushのOSS化と運営して学んだことについて
##ブラウザだけでプッシュ通知ができるようになった
Chromeのバージョン42からプッシュ通知が可能になったという記事は読まれましたでしょうか?
「Google Chrome 42」安定版リリース プッシュ通知機能追加と45件の脆弱性対
Chrome 42から、Service Workerという新しい仕組みによって、ブラウザを閉じていても、スマートフォンのプッシュ通知のようにサービス側からお知らせを届けることができるようになりました。この機能はデスクトップ版とAndroid版のChromeに導入されています。通知の仕組みにGoogle Cloud Messaging(GCM)を使っているためiPhone版は非対応です。
##これまでとの違い
スマートフォンアプリではプッシュ通知は当たり前の機能ですが、ウェブでは当たり前ではありません。
これまではサービス側からユーザーにメッセージを送る手段はメールしかありませんでした。メールを送るにはメールアドレスを登録してもらう必要がありますし、もはやメールは即座にチェックするようなものではなくなってきています。
プッシュ通知が使えるようになれば、ユーザーがボタンをクリックして通知を許可するだけでメッセージを届けられるようになります。メールアドレスを登録するよりもずっと登録のハードルが低くなります。そしてたぶん、メッセージが届いたら題名くらいはすぐに読んでもらえるでしょう。
##ウェブサイトのオーナーにとって非常に強力なツール
ウェブサイトのオーナーであれば、イベントや更新をユーザーに伝えることで、多くのユーザーにウェブサイトにアクセスして欲しいと考えるでしょう。
しかし、そのためだけにメールアドレスを登録してもらうのは、サービス側にもユーザー側にも負担が発生します。RSSを配信する方法もありますが、RSSを購読してくれるユーザーというのは、かなりITリテラシーの高い人たちで、そう多くはないでしょう。
専用のソフトやキーボードを使った登録フローなどなくても、すぐにサービス側からユーザーにメッセージを送れるようにできる方法があったらとても便利です。
それがプッシュ通知です。プッシュ通知は登録のハードルが低く、メールよりも即座に見てもらいやすい。(少なくとも題名くらいまでは)
ウェブサイトのオーナーにとっては非常に強力なツールになるでしょう。
##大手サービスも導入
いまのところ、すべてのユーザーが恩恵を受けられるわけではありませんが、Android版も対応したことから、それなりの規模のユーザーにプッシュ通知という強力な手段を使ってお知らせを届けることができるようになりました。RSSクライアントをインストールしているユーザーよりは大きい規模のはずで、既に導入には十分な価値があるでしょう。
その証拠に、FacebookやPinterestなど、多くの大手サービスがChromeのプッシュ通知に対応するそうです。
それも数週間で対応するとのこと。
「Chrome 42」、ウェブサイトからのプッシュ通知をAndroid端末に--Facebookなどが対応
##誰でも簡単に導入できる?
なんだかとても便利そうなこのChromeのプッシュ通知ですが、導入の難易度はどれくらいでしょうか。
自分のウェブサイトに導入しようと思うと、次のことが必要になります。
- SSL(HTTPS)に対応したウェブサーバーの用意
- JavaScriptを使ったクライアントのプログラム
- プッシュ通知の送信を行うサーバーサイドプログラム
特にJavaScriptのプログラムはまだ情報が少ない新しいAPIを使う必要があります。
コード片のコピー&ペーストでは対応できません。
プログラマでなければこれらをこなすのは難しいでしょう。
##誰でもプッシュ通知を導入できるサービス「bpush」を作った
前置きが長くなりましたが、難しい知識なしにプッシュ通知を導入できるサービスを作成しました。
ソーシャルボタンやブログパーツなどを設置する感覚で、簡単にプッシュ通知を導入することができます。
ウェブサイトのユーザーは、プッシュ通知に対応したブラウザからボタンをクリックすることで通知を受けられるようになります。
サイトのオーナーは「bpush」にログインし、オーナーページから通知を送信できます。
もしあなたがウェブサイトのオーナーであれば、一度試してみてください。
FacebookやPinterestのような大手サービスよりも早くプッシュ通知対応できますよ。