リフレクション(振り返り)
プロジェクトは、効率化に向けた改善を継続して行うことが重要です。改善を行うのに有効な、「振り返り」の準備と実施について記述しています。
振り返りとは、1週間か2週間に一度ほどの頻度でチームメンバーが集まって、問題や改善を話し合うことでプロジェクトの効率化を図ります。
改善に向けた自由な意見を引き出し、コミュニケーションの向上を計り、だらだらと時間をかけずに行うためには準備が必要です。
また、実施の際に留意しておくべきことも記述しています。
準備
振り返りを有意義なものとするには準備が必要です。
振り返りのイテレーション期間内で問題が発生した場合、記録として残さないと、「振り返りのときに言おうと思っていたけど、いい忘れた。」ということになりかねません。
問題を記録し、メンバー内で共通の議題として事前に認識しておくということは、振り返り実施時に多くの意見がでることにつながります。
また、司会者・書記をきめておくことも重要です。ここでは事前に準備しておくべきことを記述します。
1 司会・書記を決める。
司会・書記をメンバー内で順番に行うことで、スキルアップにつながり、振り返りへの取り組み意識も向上します。
初めて担当するメンバーは緊張するかもしれませんが、事前準備をしっかりして挑むようにしましょう。
2 振り返り用のテンプレートを設置する。
メンバーの誰でも記述できる下記の例のようなテンプレートをwikiなどに設置しましょう。
事前に問題を記述しておくことで、議論の焦点が明確になります。また、司会担当者は問題・連絡事項を積極的に記述するようにメンバーに語りかけましょう。
※テンプレート例
:実施予定日: 2011/04/01 15:00 ~ 16:00
:司会: ○○
:書記: ××
:問題:
1. SVNでオーバライドするミスがあった。
2. 仕様書のフォーマットが決まっていない。
3. わかりにくいバグレポートが多い。
:連絡事項:
1. ●●のプラグインを作成しました。
2. テストパッケージの構成を決めました。
実施
| 振り返りにおける各メンバーの対立や葛藤を解消しながら、組織として一体感を引き出すためには事前準備だけでなく、
| 各メンバーに合わせた臨機応変な体応力も必要となります。司会担当はこういった点にも配慮する必要があります。
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消極的なメンバー
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普段からおとなしいメンバー
- ポストイットを事前に配布して発言の代わりに記入してもらう。
- 必要に応じて指名して発言を求める。
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普段はよく話すが振り返りではおとなしいメンバー
- ポストイットを事前に配布して発言の代わりに記入してもらう。
- 必要に応じて指名して発言を求めるが、最初から指名するのは避けた方がよい。
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振り返りに協力的ではないメンバー
- 「こんな考え方もあると思いますが、それについてどう考えますか?」と誰かの違憲を引き合いに出して質問する。
- このタイプの人の発言にはじっくり耳を傾けて聞く必要がある。
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議論を混ぜ返すメンバー
- 「ちょっとまって」「いや、そもそもさぁ」「その前に一つ質問してもいい」と議論に割って入ってくる特徴がある。
- フリップチャートのポイントに当てはめて説明を試みる。
- 議論が二転三転しないようにホワイトボードなどで整理しながら議論を進める。
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自分の立場に固執するメンバー
- 多数意見に埋もれてしまわないように気をつける。
- 時間がかかるようであれば、次回の振り返りに議題を持ち越す
参考文献