GYAOの窓際エンジニア 玉利です。
GYAOのベトナム開発では、Ruby on Railsを利用しています。
最初にNode.jsでの開発を提示されたため、そちらを試してみたのですが期待する品質の成果物は出てきませんでした。これについては割愛しますが、あまりにしんどくて、ストレスで膵臓炎を起こしダウンするという事件になったので（開発PJの様式美：SEが入院または逃亡）
もしもその手のデスマの話がお好きであれば拙著、「敏腕派遣SEの火消し日記」を御覧ください。
ベトナム風水牛のステーキを出社前に朝からいただきます。300円くらいでした。
GYAOでは主にPHPを使って開発しています。Ruby on Rails(RoR)を使って開発しているのは、社員では私だけ、RoR使いの私は肩身せまいのですが、なぜRoRを使っているのかお話ししたいと思います。
その前に、よく行くビストロで働く友人が、以前は「俺のフレンチ」で働いていました。俺のフレンチといえば、フォアグラの乗った原価率100%のロッシーニ風ステーキが有名です。私も「俺の・・・」グループの店に行ってみましたが、心躍るものはありませんでした。ただしオペレーションが凄いな、自分がオフショア開発で目指すものと一緒だと感心しました。
俺のフレンチの秘密
さて、彼の言う「俺のフレンチ」の裏側ですが、こんな内容でした。
- 毎日、すべてのスタッフに昨日の売上・費用・利益がメールで知らせられる
- ☆レシピは完全に定型化されており、だれでも同様に作れるようになっている。忙しい時はホールスタッフも調理するが同じ品質にな
- ロッシーニ風など原価率の高いメニューはあるが、他のメニューは原価低め。
- ワインは「希望小売価格」+ 1000円という値付けなので、実はそんなに安くない
料理人としては勉強するものが無かったということで彼は転職していましたが、私は興味津津でした。職人気質のエンジニアにはきっと肌が合わないのですが、均質なサービスを提供できる仕組みは凄いと思います。
ちなみに、俺のシリーズは最初並んでた人から飽きられてきたのか、閉店する店も出たりしているようです。
先日、同様のちょっぴり高級店に行く機会があったのですが、料理は素人がやってるのが手に取るようにわかる出来でがっかりしました。それに比べると「俺の〜」グループは運営レベルが素晴らしいです。
そんな残念な高級店で儲けが出るわけですから、素人に毛が生えたようなスタッフでも、マネジメント次第でそこそこ戦力として使っていけると再認識しました。
GYAOのオフショアの秘密は「Ruby on Rails」開発
現時点で、オフショア開発に最も適したフレームワークだと断言します（個人的見解）
さらにこれから説明する学習プランは、日本人にとっても最短かつ最強かと思います（さらに個人見解）
利点：
- 教育資料がしっかりしていること
- 各言語を見渡しても最良に近いベスト・プラクティスの英語オンライン資料があること
- 強力な機能、なおかつMITライセンスのライブラリ群
- コード記述量が圧倒的に少ない
- テストの仕組みがデフォルトでカッチリ整備されてる
- RubyMineが超強力
- 日本語のQiitaの資料が山のようにあること（笑）PHPは5,000+, Railsは9,000+
上にあげた条件を見ると良いことづくめに見えるのですが、技術のコモディティ化は既存のエンジニアを幸せにするとは限りません。
欠点：
- 教育資料がしっかりしていること -> エンジニアの腕の差が出なくて評価に困る
- 各言語を見渡しても最良に近いベスト・プラクティスのオンライン資料があること -> 腕の差がでなくて評価に困る
- 強力な機能、なおかつMITライセンスのライブラリ群 -> 自分にしかできない腕の差がでなくて困る
- コード記述量が圧倒的に少ない -> 仕事してないと思われてします
- テストの仕組みがカッチリ整備されてる -> 自分以外でもメンテ出来ると、仕事を他人にとられる可能性がある
オフショア開発では、作業者による品質のブレをいかに無くすかがポイントで、「素晴らしいものを作るよりも、そこそこの品質のものを外れなしに作る」事が重要なのです。どうせ、凄腕ハッカーでは無い凡人である私には、素晴らしいものなんか作れませんから（苦笑）
レストランに例えればミシュラン三つ星じゃなくてサイゼリアです。一流店を食べ歩ける上級エンジニアからするとサイゼリアなんて絶対嫌、と思うでしょうが、私みたいな一般エンジニアからすると「あたりもないけど、味が外れることは無いしコスパは悪くない、普段使いに良い店」という認識です。嘘だとおもったら、会社あがりにサイゼリアで飲んでみませんか？1000円代で飲めて、そこそこ満足してしまいます。
でも、サイゼリアのほうが高級レストランよりよっぽど多くの人を幸せにしてるんです。