前書き
SKK と一口に言ってもインプットメソッドの数だけ SKK の実装もあるため、どれを使うべきなのか初心者にはなかなか分り難く環境構築にとまどったのでまとめておきます。また近年、 Ubuntu では ibus が大変不評で fcitx がデフォルトになっているようですが SKK は必ずしもこの流行と同じではないというのも躓く原因の一つでしょう。
今回の記事の前提は以下の通りです。
- Ubuntu 15.10 (僕は Xubuntu ですが同じだと思います)
また僕の環境の特殊な事情もあるのでそれも併記しておきます。
- StumpWM 0.9.9
- Xmodmap で数字と記号を入れ替え済み
実際に試したときにどれが原因でそうなったのかというのが分らなかったので、一応 OS とバージョンを書いておきました。他の OS やバージョンを使っている場合はまた事情が違うかもしれませんので、読むときは注意してください。またここまでで分かる通り、 Windows と Mac については触れません。
本題
結論を言えば先に書いておいたような条件下で安定して使えたのは ibus-skk でした。これも ibus-skk を使って書いています。
以下に試したもののバージョンと雑感を書いておきます。
scim-skk
scim: Version: 1.4.15-5
scim-skk: Version: 0.5.2-7.2build1
独特の IM と SKK でした。 IM をアプリケーションごとに設定できるなど他にはないユニークさがありました。
SKK についても他に比べて設定できる範囲が広く良かったように思います。ただ、現行バージョンは安定して動作しませんでした。
具体的にはアプリケーションを切り替える度に一切の入力を受け付けなくなることがあるという現象で、恐らくは IM 側の問題だとは思いますが(もしかしたら StumpWM との相性が悪かっただけかも?) SKK の出来がよかっただけに残念でした。
uim-skk
uim: Version: 1:1.8.6-11
SKK を標準搭載している IM です。また設定を Scheme で書けるというのは Lisper friendly でポイントが高かったです。
日本語の情報も豊富なのでそういう意味でもお勧めできます。こちらも設定項目が豊富でした。ただ設定ファイルは euc-jp で書かなければいけないようです。
残念だったのは僕の環境下でかつ urxvt を使ってる場合に変換候補窓が左下の画面外に出てしまって、現在入力中の文字に関して視認することが出きなかったことです。変換候補窓自体は設定で位置を変更可能のはずですが、動かず使用を断念しました。
fcitx-skk
fcitx: Version: 1:4.2.9-3
fcitx-skk: Version: 0.1.1-1.1
以前まで fcitx-mozc を使っていたので惰性で最初に試した SKK です。この SKK は他と比べると幾らか違うところがあります。
まず変換候補の選択に a,s,d,f… などを用いず、数字を使います。また、変換候補をカーソルキーで選択することは不可能です。ただ、変換候補窓はちゃんと入力中のカーソル付近に出てきてくれます(素晴らしい)。
というわけで僕の環境下では使うことが出来ませんでした。数字と記号を入れ替えている都合上、数字は Shift を押しながら入力する必要があり数字を入力すると変換が確定され入力された数字が入力されてしまうためです( Why? )。ちなみに数字と記号を入れ替えていない場合、正常に動作します。
他の SKK に比べると設定項目が少ないという印象でしたが、普通なら問題にならないかなという気がします。
ibus-skk
ibus: Version: 1.5.10-1ubuntu1
ibus-skk: Version: 1.4.2-1
最後に辿りついた SKK です。おおよそ問題なく動きます。設定項目がやはり多くはないですが、 libskk を使っているのでそちらから設定できるようです。
ただ暗黙の確定を使ったときに入力した文字が前後することがある?みたいでそこが少し嫌なところです(例えば [TukaTte<space>i] -> [い使って] のような感じ)。
まとめ
僕は最終的に選択肢がなかったので、 ibus-skk にしましたが StumpWM を使っていなかったり、数字と記号を入れ替えるなどしていなければ他にも選択肢はあると思います。また幾つかの問題は、 SKK 実装というよりは IM 側の問題のようにも見えるので、 SKK 実装側ではどうしようもないのかもしれないです（例えば変換候補窓が軒並揃って左下に出てくるとか、 fcitx の数字選択の問題とか)。
おまけ
ddskk
Daredevil SKK/16.0.52/mepla-20151225.2242/ (Futamata)
最も便利な SKK で Emacs の中から出なければ最高のインプットメソッドです。プログラム実行変換はとても便利(使いこなせれば)。