記事を書くきっかけ
新しい案件でAmazon RDS(以下、RDS)の採用を検討している。RDSが提供するデフォルトのサービス内容でカバーされる、信頼性について調査を行い、クライアントに説明を行う際の根拠としたい。
本記事の内容の真偽については、各々で調査・判断をお願いします。
この記事の要約
- Multi-AZのMySQLもしくはOracleを対象とした記事である。
- RDSのデフォルトの内容を対象とした記事である。
- RDSの信頼性は99.95%くらいである。
- 一般的に、障害発生時の過去5分以内に、新しいエンドポイントを持つ新しいデータベースインスタンスとして復旧可能である。
- バックアップデータの保存先の耐久性は99.999999999%、可用性は99.9%くらいである。
この数字から来る信頼性では足らず、更に100%に近づけてくれというならば、「別途色々考えます」というスタンスで良いと考えます。
一般公開
現在RDSはβ版では無く、一般公開されている。いくつかの記事によれば、一般公開は米国時間の2013年6月6日である。
SLA
サービスレベルアグリーメント(SLA)はこちら。要約すると下記のようになる。
- Multi-AZ構成に対してSLAが適用される。
- 対象のエンジンはMySQLとOracle。
- 月間アップタイムが99.0%以上99.95%未満の場合は料金の10%、99.0%未満の場合は25%が割引される。
データの格納先
- データベースとログの格納にAmazon EBSボリュームを使用する。
- EBSの耐久性についてはEBS製品の詳細の「Amazon EBS の可用性と耐久性」が参考になる。
- 追加料金無しで同一AZ内の複数のサーバーにレプリケートされる。
- 特定の条件のボリュームの年間故障率は0.1%〜0.5%である事が期待出来て、市販のハードディスクの一般的な年間故障率4%前後と比較すると、10倍の信頼性がある。
- EBSの可用性についてはEC2及びEBSのSLAに詳しい。月間アップタイムが99.0%以上99.95%未満の場合は料金の10%、99.0%未満の場合は30%が割引される。
自動化バックアップ
RDSのFAQが参考になる。デフォルトの内容を要約すると下記のようになる。前提は「データベースインスタンスに対して自動化バックアップがオンになっている」事である。
バックアップ
- 任意のバックアップウィンドウ(任意に設定可能なスケジュール)で、1日1回自動で、完全なバックアップが取得される。
- 随時トランザクションログが取得されている。
復元
- バックアップによって特定時点への復旧を開始して、トランザクションログによって復元可能な最新時刻まで、任意の秒数を指定する事が可能。
- 復元可能な最新時刻は通常、過去5分以内。
- 復元を行う事で、新しいエンドポイントを持つ新しいデータベースインスタンスが作成される。
バックアップデータの保存先
- 自動バックアップはAmazon S3(以下、S3)に保存される。
- S3の可用性についてはS3のSLAに詳しい。月間アップタイムが99%以上99.9%未満の場合は料金の10%、99%未満の場合は25%が割引される。
- S3の耐久性についてはS3のFAQの「データ保護」に詳しい。特定の一年間、99.999999999%のオブジェクト耐久性を提供するよう設計されているとの事。
バックアップデータの保存に関する費用
- 追加料金無しで、1日の保持期間でデータベースインスタンスの自動バックアップを行える。
- 無料のバックアップストレージは、準備したデータベースのサイズに限定される。
- アクティブなデータベースインスタンスのみに適用される。