FormFlow を使った、定型リスト質問を行う BOT 動作の開発
今回は、選択肢による質問(複数)を行う定型でプロセスを FormFlow クラスを利用して作成します。これを利用することで、例えばファーストフードや宅配ピザの注文のように、いくつかの定型質問を元に注文を受け付けるようなフローが Bot Framework だけで作成できます。
ということで、タイトル通り「〇ブウェイがBOTで注文を受付したら」という趣旨で単純なサンドイッチ注文 BOT を作成していきます。
##Visual Studio テンプレートから新規 BOT アプリケーションの作成~下準備
Bot Framework を使うための開発環境 を参考に開発環境を作成し、Visual Studio テンプレートから Bot アプリケーションの作成 と同じプロセスで新規アプリケーションを作成します。今回は SandwichBot という名称で作成しています。
テンプレートから作成される MessageController.cs (Controllerフォルダ下にあります) を編集していきます。
今回は、メッセージの送受信を行う Microsoft.Bot.Builder.Dialogs に加えて Bot.Builder.FormFlow への参照を追加します。また、System.Collections.Generic も合わせて追加しておきます。
using Microsoft.Bot.Builder.Dialogs;
using Microsoft.Bot.Builder.FormFlow;
using System.Collections.Generic;
##質問項目の設定
テンプレートにデフォルトで作成されている MessageController クラス内に、まずは質問項目とその回答リストを enum (列挙型) で定義します。今回はサンドイッチを作成するのに必要な ①SandwichOptions(サンドイッチの種類)、②LengthOptions(サイズ)、③BreadOptions(パンの種類)、④ToppingsOptions(トッピング)、⑤VegetableLessOption(減らす野菜)、⑥VegetableMoreOptions(増やす野菜)、⑦SauseOptions(ソース) を作成しました。
[BotAuthentication]
public class MessagesController : ApiController
{
:
//質問項目と回答
public enum SandwichOptions
{
RoastBeef, BLT, SubwayClub, RoastChicken,
TeriyakiChicken, TurkeyBreast, Ham, Tuna, VeggieDelite
}
public enum LengthOptions
{
Regular, Footlong
}
public enum BreadOptions
{
Flatbread, White, Wheat, Sesame, HoneyOats
}
public enum ToppingsOptions
{
SliceCheese, CreamCheese, Bacon, Tuna, Avocado, Jalapeno, None
}
public enum VegetableLessOptions
{
All, Lettuce, Tomato, Pement, Onion, Pickles, Olives, None
}
public enum VegetableMoreOptions
{
All, Lettuce, Tomato, Pement, Onion, Pickles, Olives, None
}
public enum SauseOptions
{
Caesar, HoneyMustard, WasabiSoy, Basil, Balsamico, Mayonnaise, OilVinegar
}
##質問フォームの作成と呼び出し
"Form Definition" (フォーム定義の)インターフェース を SandwichOrder という名称で作成し、上で作成した質問項目を追加します。回答リストから1つだけ選択させたい場合はそのまま、複数選択可能な場合は System.Collections.Generic.List<>を使用します。
続けて SandwichOrder クラスに Microsoft.Bot.Builder.FormFlow.IForm を追加、FormBuilder でこれらの項目を呼び出して質問を行うフォームを構成します。FormBuilder.Message で初期メッセージを設定しています。
[BotAuthentication]
public class MessagesController : ApiController
{
:
[Serializable]
public class SandwichOrder
{
public SandwichOptions? 種類;
public LengthOptions? サイズ;
public BreadOptions? パンの種類;
public List<ToppingsOptions> オプション追加;
public List<VegetableLessOptions> 抜きたい野菜;
public List<VegetableMoreOptions> 増やしたい野菜;
public List<SauseOptions> ソース;
public static IForm<SandwichOrder> BuildForm()
{
return new FormBuilder<SandwichOrder>()
.Message("こんにちは! 野菜の○ブウェイです。ご注文をどうぞ!")
.Build();
}
}
Microsoft.Bot.Builder.Dialogs.IDialog で "Chainable"(鎖のようにつながった) インターフェースを作成します。
[BotAuthentication]
public class MessagesController : ApiController
{
:
internal static IDialog<SandwichOrder> MakeRootDialog()
{
return Chain.From(() =>
FormDialog.FromForm(SandwichOrder.BuildForm));
}
あとは、何かメッセージを受信したら、この MakeRootDialog を呼び出すように設定すれば完成です。ひとまずテンプレートの Post の部分を以下のように修整すればOKです。
メッセージの送受信については コミュニケーションの基本クラス - Dialog(1) をご確認ください。
public async Task<HttpResponseMessage> Post([FromBody]Activity activity)
{
if (activity.Type == ActivityTypes.Message)
{
await Conversation.SendAsync(activity, MakeRootDialog);
}
else
:
##Emulator による動作確認
ここまでの内容で動作を確認します。Botアプリケーションのローカル実行とエミュレーターによるアクセス と同様に Visual Studio から F5 でビルド&デバック実行を開始し、Bot Framework Channel Emulator からメッセージを送信します。
作成した7つの質問項目とリストが表示され、各項目を入力していくと、最後に確認メッセージが表示されるのを確認してください。