現在 Emacs における Julia の開発環境は julia-mode.el と ESS があります。
julia-mode.el
https://github.com/JuliaLang/julia/blob/master/contrib/julia-mode.el
ESS (Emacs Speaks Statistics)
http://ess.r-project.org/
julia-mode.el は Julia の github リポジトリで提供されている elisp です。
しかし現時点では julia-mode.el はキーワードの色付けといった基本的な機能しかありません。
ESS (Emacs Speaks Statistics) は R や S といった統計解析言語のためのメジャーモードです。
R 言語の開発環境の中でも最も強力な環境の一つです。
この ESS 実は Julia にも対応しています。
ESS を導入することで Julia でも高度な補完機能,eldoc の対応や Emacs 内でのインタプリタ起動が実現できます。
本ページでは ESS の導入方法と簡単な開発例を示します。
インストール
ESS は結構活発に開発されているので package.el でインストールするか github から直接インストールして利用する方が良いと思います。
package.el が一番簡単にインストールできます。
M-x package-install
で ess
と入力すればインストールできます。
github からインストールする場合は
$ git clone https://github.com/emacs-ess/ESS.git
$ cd ESS
$ make
$ make install
でインストールできます。
なお auto-complete.el も導入しておくと補完機能が利用できます。
使い方
正常にインストールできていれば
(require 'ess-site)
で ESS モードが利用できます。
最新版をインストールしていれば特別な設定なしに拡張子 .jl のファイルを開くと ESS モードになると思います。
M-x julia
で Julia のインタプリタが Emacs 内で起動します。
M-x ess-load-file
または C-c C-l
で .jl ファイルをインタプリタで評価できます。
Emacs のモードラインが (ESS[julia] [julia]) になっていれば,そのファイルで補完機能や eldoc が有効になります。
ESS の機能はかなり豊富なので詳しい使い方や設定方法は本家のドキュメント
を読むことをおすすめします。
まとめ
Emacs と ESS による Julia の開発環境を紹介しました。
個人的に現時点で最も高機能な Julia の開発環境だと思います。
R の開発で ESS を利用していた方が違和感なく Julia の開発環境を構築できることもメリットだと思います。