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Fusion360 で内歯車やラック&ピニオン機構を扱う

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背景

クラウドベースCADツール Fusion360 上で内歯車やラック&ピニオン機構を扱いたい。
Fusion360 で歯車を作るには SpurGearスクリプトを使うと簡単だが、これは平歯車は作れるが内歯車やラック&ピニオン機構は作れない。
そこで、Web上で内歯車やラック&ピニオン機構のDXFファイルを作成できるサイトInvolute Spur Gearを使うことにした。
幾つか注意点があったので備忘録として記す。

大まかな流れ

  1. Involute Spur Gearでギアを作成。DXFファイルをダウンロードする
  2. InkscapeでDXFファイルを開き、ファイル名を変えてDXFファイルで保存する。
  3. Fusion360で、Inkscapeで保存した方のDXFファイルを読み込む。

Involute Spur Gear Builder

http://hessmer.org/gears/InvoluteSpurGearBuilder.html
歯車の設計ができるWebサイト。ブラウザ上でピッチ・歯数などのパラメータを入力するとDXF形式の歯車を作成しダウンロードできるようになる。

ポイントは以下。

  • 2つ一組の歯車を作れる。それぞれのパラメータと、両者に共通のパラメータとが有る。
  • 片方の歯車の歯数(ToothCount) を正の値にすれば平歯車、負の値にすれば内歯車、0にすればラックが作れる。
  • 後述するInkscapeでデータをインポートしたとき、次のように図が崩れるケースがある。
    1. Show:パラメータで"Wheel 1 Only"または"Wheel 2 Only" を選択すると、内歯車の内側の歯の部分が無くなる。"Wheel 1 and Wheel 2" を選んだ方が無難。
    2. Wheel2側を内歯車にすると、二つの歯車が結合した状態で出力されてしまう。内歯車はWheel1側にすること。
    3. Wheel2の軸穴が無くなる。なのでWheel2に軸穴が必要なときは同じパラメータの歯車2つのDXFを別途作ることで対処する。

InkscapeでのDXFファイル編集

Involute Super Gear BuilderからダウンロードしたDXFファイルをそのままFusion360にインポートしようとするとエラーが出る。
DXFファイルのフォーマットにはバージョンが多数あり、Fusion360が許容するフォーマットになっていないためと思われる。
そこでベクトル画像編集ソフトInkscapeでDXFファイルを作り直す。

手順は以下

  1. ダウンロードしたDXFファイルをInkscapeで開く
  2. 期待どおりの図になっている事を確認。前述のようなデータ崩れが起きてないかチェック。
  3. [ファイル]→[名前をつけて保存]で別名で保存する。このとき[ファイルの種類]で"デスクトップ カッティングプロッタ(R13)(*.dxf)"を選択する

Fusion360へのインポート

Inkscapeで保存したほうを使えば上手くインポートできる。

補足

今回はFusion360へのインポートを扱ったが、Illustratorでも同様にDXFファイルがインポート出来ない現象が発生し、Inkscapeを経由するとうまくできた。
いろいろと応用が効くかもしれない。

謝辞

Involute Spur Gear Builder の作者であるRainer Hessmer氏に多謝。なかなか同種のツールが見つからず、内歯車設計用のスクリプトを自作しないといけないと思ってたので。

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