Docker Composeで手軽に開発環境を構築(PHP+MySQL+Elasticsearch+Memcached)で紹介したファイル群をリファクタリングしました。記事にする前にリファクタリングしろよっていう話ですが・・・。
DockerやDocker Composeについての基本的な記事は、上記をご覧いただければ幸いです。
今回作成したファイル群は、こちらに置いてあります。
docker-composeが入っていれば、
git clone https://github.com/acro5piano/docker-compose-dev-env.git
cd docker-compose-dev-env
docker-compose up
とすると
- 各コンテナが起動
- localhost:3000にPHPのビルトインサーバーが起動
- MySQLとの接続テストに成功
するはずです。
このファイル群を作るまでの流れを書いていきます。
ファイル構成
.
|-- docker
| |-- web
| | `-- Dockerfile
| `-- db
| |-- Dockerfile
| `-- my.cnf
|-- docker-compose.yml
|-- index.php
`-- README.md
Rocker.Chatを参考にしました。
プロジェクトのルートディレクトリにdocker
ディレクトリがあり、全てのdockerコンテナ用のファイルがここに収まっているので、かなりすっきりした気がします。
Docker Composeだけで構築して、Dockerfileは書かないという方法を模索しましたが、素のPHPではMySQLi
が入っておらず、また公式でphp-mysql
を探しても無かったので、結局書きました。
各ファイルの説明
docker-compose.yml
version: "2"
services:
web:
build: ./docker/web
ports:
- "3000:3000"
links:
- db
- memcached
- elasticsearch
volumes:
- ./:/code
working_dir: /code
command: php -S 0.0.0.0:3000
container_name: some-web
db:
image: "mysql:5.7"
environment:
MYSQL_ROOT_PASSWORD: root
MYSQL_DATABASE: app
MYSQL_HOST: ""
# If you want to set mysql user manually, remove these comments:
#MYSQL_USER: user
#MYSQL_PASSWORD: password
mem_limit: 1000000000
container_name: some-db
elasticsearch:
image: "elasticsearch:2.4"
container_name: some-elasticsearch
memcached:
image: "memcached:1.4"
container_name: some-memcached
| 項目 | 説明 |
|----------------+--------------------------------------------------------------------------------------|
| build | コンテナの作成をするワークスペースの指定。Dockerfileがある場所 |
| image | ベースイメージ。build
とは排反 |
| ports | ホスト側のポートとコンテナ側のポートのマッピング |
| links | コンテナ間の通信を定義。実際は/etc/hostsにコンテナ名とIPアドレスの名前解決が書かれる |
| volumes | ホストとコンテナで共有するディレクトリ |
| environment | 環境変数 |
| command | コンテナ起動時に実行するコマンド。Dockerfileで既存のものを上書きする |
| working_dir | コンテナでコマンドを実行する時のカレントディレクトリ |
| container_name | コンテナの名前。docker exec -it
などでコンテナを指定する時に使える |
Dockerが使うホスト側のポートは、最小限にした方が良いです。ホスト側からコンテナに任意のコマンドを実行できるので、それでも困りません(後述)。そのうち欲が出てDockerコンテナを複数動かしたくなった時に修正が面倒というのもあります。
今回は3000番だけ開放しています。
docker/web/Dockerfile
FROM php:7.0
RUN apt-get update
RUN apt-get install -y zlib1g-dev libjpeg-dev libpng-dev libfreetype6-dev
RUN docker-php-ext-install pdo_mysql
RUN docker-php-ext-configure gd --with-freetype-dir=/usr/include/ --with-jpeg-dir=/usr/include/
RUN docker-php-ext-install gd
RUN docker-php-ext-install mysqli
Apacheをインストールしていないので、設定ファイル類が無くて済みます。またDocker公式のPHPイメージを利用して、記述量を減らしています。
PHPのビルトインサーバーは、Dockerコンテナ内でrootユーザーにより実行されます。これは開発時には権限設定などをほぼ考えなくて良いので、便利です。もちろん本番では厳密に設定する必要がありますが。
コンテナを起動する
これらのファイルができたら、あとはdocker-compose.yml
のあるディレクトリでdocker-compose up
すれば各コンテナが起動します。
よく使うコマンドまとめ
webコンテナにログイン
docker exec -it some-web bash
コンテナ間ポートフォワーディング等をしない限り、sshd
を入れる必要は無いです。
このコマンドですが、任意のコマンドが実行できるので、
docker exec -it some-web cat /etc/hosts
とかしてみると面白いかもしれません。
ここでのsome-webというのは、docker-compose.yml
で設定したコンテナ名です。
docker-compose exec web bash
でも構いません。
mysqlコンソールにログイン
docker exec -it some-db mysql -u root -proot -D app
※アプリケーションがDocker内のMySQLに接続するのに使うユーザーは、なるべくrootにした方が楽かと思います。
作成したコンテナを消す
docker-compose down
MySQLのみ、データが永続化されないようになっていますので、このコマンドで影響を受けるのはMySQLコンテナだけです。
※基本的にDockerコンテナ内のデータは永続化されません。