この記事は ACCESS Advent Calendar 2015 13日目向けの記事として書かれました。
また当記事は業務内容とは関係なく、扱っているソフトやツール類は個人で使用したものであり、業務中に使用したものではありません。
はじめに
スマホは精密機器であり、いつ故障してもおかしくありません。電源が全く入らない場合は個人では望み薄ですが、電源が入るが画面が点かない、画面が割れてタッチパネルが使えない、などの場合は、まだなんとかできる可能性があります。
写真や電話帳などのデータはクラウドに保存してあれば、移行後の端末で同期すれば問題ないですが、アプリの設定や引き継げないアプリのデータ(特にねこあつめ)や、機種変前に引継番号を発行するなどのお作法があるおさいふケータイアプリなどはカバーできていません。
Rootを取っておいてTitanium Backupでマルッと解決するかもしれませんが、取るのが面倒な端末だったり、そもそもとりたくないこともありますよね? 今回は、Rootを取らなくても使えるツールをご紹介します。
ツール
これから紹介するツールは、以下の設定がされているのが条件です。
- 開発者向けオプションからUSBデバッグを有効にする
- 使用するPC(Win,Mac,Linux)にadbが入っていて、パスが設定されている
- 使用するPCからのUSBデバッグを常に有効にしておく
少々ハードルが高いかもしれませんが、一度設定しておけばいいですし、rootとるよりも安全なのでやっておきましょう。
Universal ADB Driver for Windows
普段MacbookやLinuxを使っていると意識しないのですが、WindowsとAndroidを繋ぐにはドライバの導入が必要です。メーカー毎にドライバが違うので面倒なのですが、Universal ADB Driver for Windows を入れておくと、スムーズに導入できます。
Helium
Helium (旧Carbon)は、アプリをデータごとバックアップするツールです。使う前に一度PCと端末をPTPでつなぐ必要がありますが、引き継ぐ方法がないねこあつめ等のアプリを引き継げるためオススメです。これでくりーむさんからのたからものも無くならないで済みますね。
内部でやっていることは adb backup
なのですが、後ほど紹介する機能も便利なので、使って損はないと思います。
Heliumは、Windows、Mac、Linuxの他にChromeアプリでも提供されています。また、Playストアからあらかじめアプリをインストールする必要があります。
以下は、データ移行に使ってみて気づいた点です。
- 電子書籍などアプリの容量が大きい場合は時間がかかるため、新規インストールから同期できる場合はそっちのほうがいい
- 銀行アプリなど、一部のアプリは移動されたことを検知するため、Heliumを使っても初期設定が必要
- LINEは初期設定が必要なのと、トーク履歴を同期で引き継げないため、事前に履歴をエクスポートしておく必要が有る
定期的にバックアップを取っておくのも有効ですが、オススメしたいのは有料版。これを買っておくと、端末間で直接アプリの移行ができます。新しい端末から古い端末内のアプリを選択できるため、いちいちバックアップをとって保存して……などすることがなくて楽チンです。
Vysor
Vysor は、PC上でAndroidを操作できるツールです。
Androidの画面がPCにウィンドウとして現れ、マウスで端末を操作できます。スクロールもマウスホイールやトラックパッドのスワイプでできるので使い勝手がよく、キーボードからの文字入力もでき、スクリーンショットも取れます。
実機を動かしているので、エミュレータなんか目じゃないくらいスムーズです。ラグが少ないので、プレゼンとかにも有効でしょう。開発もこれでやりたい
これを導入することで、画面が点かなかったりタッチ操作が効かない場合でも、PC上で操作してデータの移行やアプリの引継番号発行などが可能です。OTGケーブルでマウスやキーボードをつながなくてもいいので、ノートPC派にも嬉しいですね。
こちらもChromeアプリとして提供されているため、OSを選ばないのが特長です。こちらは実機には自動でインストールするされるため、PC側でアプリをインストールするだけで大丈夫です。
注意
今回紹介したツール、Helium は Android 4.0 以上、 Vysor は Android 4.1 以上でないと使えません。古い端末にも救済措置が欲しいところではありますが、セキュリティの都合上、仕方がないことなのかもしれません。
それでは、楽しい Android ライフを。