背景
ECサービス(web/iOS app)を運営するにあたり、日々のマーケティング活動に対して日時でKPIを集計・分析し、アクションを細かく行っていく必要がある。Google Analytics(以下、GA)はKPI集計・分析基盤として無料で使用できるが、下記のような問題があった。
- ノンカスタムの状態では優位な示唆を導くレポートが無い
- そのため分析→レポート化自体は人の手で行う必要がある(15min/day程かかっていた)
GAからrawデータをcsvでダウンロードし、エクセル上で分析集計する、というのはマーケターにとって一般的ではあるが、毎日それなりの工数を要する。そのため自動化を図った。
Google Analytics Spreadsheet Add-on
参考:Analytics Feature-Specific Resources
このソリューションを使用することにより下記のKPI管理に関わる業務を自動化する。
- CSVをダウンロードし、ソースデータを得る。
- ソースデータを表計算ソフトにinputする
- 関数を使用し、欲しいデータを加工する。
これにより人のリソースを”データから示唆を得てアクションすること”に集中させる。このadd-onではデータを取得する期間や、フィルタ、ディメンジョン等も自由に設定できるので、自分が欲しいデータを自由自在に加工することができる。
動画でざっくり理解するGoogle Analytics Spreadsheet Add-on
Introduction to the Google Analytics Spreadsheet Add-on
こんなこともできる
- Adwordsのキャンペーン毎のCPC、CVR、CPA等の成果を自動管理する(Adwordsのダッシュボードは読み込みが遅くストレスなので、自分で作ってしまおう)
- socialやdisplayなどの経路別のCVRやCPAを自動算出できる
- 期間を自在に設定できるので、ビジネスKPIが一覧できるダッシュボードをスプレッドシートで作成できる
導入
1. 新規でスプレッドシートを開き、アドオン > アドオンを取得
を選択。
2. アドオンgoogle analytics
を検索し、+無料
からスプレッドシートと連携
3. スプレッドシートより、アドオン > Google Analytics > Create new report
を選択
レポート選択画面が右側に出現
4. レポートを作成
ここから、レポートに出力したいデータを指定していく作業に入ります。具体的に下記1)~3)を設定します。
1) Name Your Report
レポートの名前です。スプレッドシートの左下に同名のシートが作成されます。
2) Select Account information
レポートを出力したいGAアカウントに紐づく下記3小項目を設定してください。GA>アナリティクス設定
から確認が可能です。
- Account...GAアカウント
- Property...GAプロパティ
- View(Profile)...GAビュー
3) Choose Metrics and Dimensions
Metrics
集計したいデータ項目を複数選択する。Users(UU)
、Page View
、Sessions
や、Goal xx Conversions
(GAで設定した目標Noの完了数)、Goal xx Conversion Rate
(GAで設定した目標NoのCVR)、Cost
(adwordsで使用した金額)などGAで取得できるパラメータはすべて設定可能。
Dimensions
データの切り口を選択する。date
、User Type
など分析切り口毎にレポートを作成する。おすすめは1レポート1ディメンジョン。
設定例
以上の設定が完了したら、Create Report
を押下すると、Report Configuration
に反映される。下記のように各項目に値が入力される。
各項目の詳細は下記参照
Configuration Options | 内容 |
---|---|
Type | デフォルトはcore
|
View (Profile) ID / ids | アナリティクスのビューID |
Start Date | データ取得範囲。YYYY-MM-DDの形式で入力。=TODAY() などの関数も利用可能 |
End Date | データ取得範囲。Last N Daysかstart endのセットのいずれかで実行する。=TODAY()-7 などの関数も利用可能 |
Last N Days | データ取得範囲。ここを設定すると、直近N日分をデータを取得する |
Metrics | マトリクス(指標)。取得するデータ項目 |
Dimensions | データの切り口 |
Sort |
-ga:sessions``-ga:pageviews のように、マイナスを付与すると降順ソート |
Filters | 流入経路をgoogle検索のみ、地域を日本のみ、といった設定が可能 |
Segment | 新規ユーザのみ、といったセグメントの設定 |
Sampling Level |
DEFAULT 、FASTER 、HIGHER_PRECISION が選択可能 |
Start Index | デフォルトは1 。データ取得を開始するインデックスの設定 |
Max Results | データ取得件数。デフォルトは1,000 、最大10,000
|
Spreadsheet URL | 別シートにデータ出力する場合に設定 |
5. アドオン > Google analytics > Run reports
からレポートを実行し出力する
実行結果は別のシートに出力される。Dimensionsを日付で実行したので、直近30日間の各KPIが日別に出力されました。
実行結果
出力したデータはマスターデータとして扱い、別シートにてvlookup等の関数を使用して分析用途にデータ抽出し、スプレッドシート上で定常的に分析することをオススメする。データ出力例は下記。
6. データ出力をスケジューリングする。
5のRun Report
は任意の時間にスケジューリングができる。
アドオン > Google analytics > schedule reports
から、毎月、毎週、毎日、毎時のメッシュで自動出力をスケジューリングできる。非常に楽なので使用してみよう。
以上、基礎編はここまで。
とても長くなってしまったので、応用編は追って作成したいと思います。
希望があればコメントまでお願いします。