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名もなきスタイルでいいんじゃないか説

Last updated at Posted at 2021-06-16
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※この記事は、スライドモードでご覧ください


1990年代後半


CSSはまだ普及していなかった


どのようにHTMLを装飾していたか


index.html
<h2 align="center">
  <font color="#ff0000" size="7">やめ太郎について</font>
</h2>

htmlファイルの中に直書きしていた


ページ数が多いと大変・・・


同じコードを何度も書かなければならない


修正が発生したときも大変


例えば・・・


依頼主「おぼろげながら浮かんできたでぇ・・・」


依頼主「という色がな!」


依頼主「見出しの色は、や!」


ワイ「ファッ!?」


ワイ「全50ページの見出し、ぜんぶ変更でっか!?」


ワイ「今日も残業や・・・」


そんなこともあったかもしれません


時は流れ・・・


2000年代


CSSが普及してきた


style.css
.heading2 {
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
}

例えば、クラス名に対してCSSを書く


index.html
<h2 class="heading2">やめ太郎について</h2>

HTMLタグに、そのクラス名を書く


タグにクラス名をつけるだけで装飾できるようになった


スタイルの塊に名前をつけて、使いまわせるようになった


修正する手間も減った


例えば・・・


依頼主「また見出しの色を変更や!」


ワイ「はいはい、おぼろげながら浮かんできたんですね」


style.css
.heading2 {
  font-size: 48px;
- color: #ff0000;
+ color: #0000ff;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
}

ワイ「これで修正完了や!」


1ファイル修正すれば、全ページに反映される


でも、逆に修正しづらいことも・・・


修正の影響範囲が大き過ぎる


1ファイル修正しただけで、多数のページに影響が出る


ワイ「クラス名が被ってたりして、直したい部分以外が変わってしまうことはないやろか・・・」


気軽に修正できない


どうすればいいか


クラス名が重複しないための工夫が必要


そこでBEM


例えば・・・


index.html
<ul class="userList">
  <li class="item">
    <span class="text">太郎</span>
  </li>
  <li class="item">
    <span class="text">次郎</span>
  </li>
</ul>

itemとかtextって、他と被りそう・・・


itemのスタイルを修正したら、ほかの部分にも影響が出るかも・・・


クラス名をもっと工夫せな・・・


せや、BEMや!


index.html
<ul class="userList">
  <li class="item">
    <span class="text">太郎</span>
  </li>
  <li class="item">
    <span class="text">次郎</span>
  </li>
</ul>

これを・・・


index.html
<ul class="userList">
  <li class="userList__item">
    <span class="userList__text">太郎</span>
  </li>
  <li class="userList__item">
    <span class="userList__text">次郎</span>
  </li>
</ul>

こう!


親のクラス名を頭につければ、他と重複しない


クラス名が長くなりがち&なんだか愚直


でも割と便利


ここで一回まとめ

CSSのおかげで

  • 同じスタイルを何度も直書きしなくてよくなった
  • 一箇所修正すれば全ページに反映されるようになった

ワイ「命名には注意が必要やけど、だいぶ便利になったで!」


しかし・・・


依頼主「おぼろげながら浮かんできたでぇ・・・」


依頼主「見出しのデザイン、もっと凝った感じにしたいんや!」


依頼主「せやから・・・」


依頼主「h2タグの中に、spanタグを入れてくれや!」


ワイ「ファッ!?」


index.html
<h2 class="heading2">やめ太郎について</h2>

これを・・・


index.html
<h2 class="heading2">
  <span>やめ太郎について</span>
</h2>

こう!


ワイ「これは・・・CSSだけじゃどうにもならへん・・・」


ワイ「50ページ、全部修正するか・・・」


50ページ修正している間に・・・


時は流れ・・・


現代


コンポーネントの時代


ワイ「50ページ修正している間に2021年になってもうたわ・・・」


ワイ「現代には、Reactいう便利なライブラリがあるらしいで」


ワイ「HTMLの塊を、部品みたいにして使い回せるみたいや」


ワイ「コンポーネントいうやつやな」


ワイ「ちょっと使ってみよか」


/components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2>{children}</h2>
  )
}

ワイ「早速、このコンポーネントを・・・」


/components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2>
      <span>{children}</span>
    </h2>
  )
}

ワイ「こうや!」


ワイ「1ファイル修正しただけで、全ページに反映できたで!」


ワイ「素敵やん?」


ワイ「ところで、CSSはどうやって書くんや?」


※Emotionというライブラリを使用している想定です


components/Heading2.tsx
const heading2 = css`
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
`

const span = css`
  font-weight: normal;
`

export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2 css={heading2}>
      <span css={span}>
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

ワイ「なるほどな」


components/Heading2.tsx
const heading2 = css`
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
`

const span = css`
  font-weight: normal;
`

ワイ「cssという関数に、CSSのコードを渡してやって」

ワイ「それをheading2spanという変数に格納」


components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2 css={heading2}>
      <span css={span}>
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

ワイ「それをHTML(JSX)のタグに、属性みたいに渡してやるんやな」


style.css
.heading2 {
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
}

ワイ「普通のCSSではこう書いていたところを・・・」


components/Heading2.tsx
const heading2 = css`
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
`

ワイ「Emotionではこう、JSの中に書くんやな」


ワイ「CSS-in-JSいうやつやな」


ワイ「あれ・・・でもなんか、書き方が変わっただけで」


ワイ「あんま進化してない気もするけど」


ワイ「何が良くなったんやろな」


メリット


名前が被らない


spanなんていう短い名前をつけたとしても


自動的に、一意なクラス名を生成してくれる


例:css-1duww6s-span


ほかのファイルでspanという同名のスタイルを作っていても大丈夫


<h2 class="css-1ax0e8a-heading2">
  <span class="css-1duww6s-span">
    やめ太郎について
  </span>
</h2>

描画されるHTMLはこんな感じ


.css-1ax0e8a-heading2 {
  font-size: 48px;
  color: #ff0000;
  text-align: center;
  margin-bottom: 60px;
}

.css-1duww6s-span {
  font-weight: normal;
}

CSSはこんな感じで生成される


これによって


スタイルの名前づけが楽になる


重複を避けるために、長いクラス名をつける必要もない


むしろもう、名前は要らないかもしれない


components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2
      css={css`
        font-size: 48px;
        color: #ff0000;
        text-align: center;
        margin-bottom: 60px;
      `}
    >
      <span
        css={css`
          font-weight: normal;
        `}
      >
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

HTML(JSX)の中に直で書くこともできる


ワイ「でも、HTML(JSX)の中に直書きでスタイリングするのは、なんか抵抗が・・・」


やめ太郎のトラウマ


直書きすると、デメリットがあった気がする


HTMLの中に直で書くと、同じコードを何度も書かなければならない


何箇所も修正しなければならない


いえ


→コンポーネント化されているので大丈夫


→何回も書かなくていい


→1箇所だけ修正すればいい


ワイ「あ、そうか・・・」


むしろメリットがある


 例えば


components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2 css={heading2}>
      <span css={span}>
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

ワイ「この、h2タグにあたってるheading2ってスタイルは」

ワイ「コードの中のどこにあるんかな〜?」

ワイ「あった、あった、修正しよか」


って探す必要がなくなる


HTMLとCSSを行き来する必要がなくなる


なぜなら


HTMLの中に、CSSも書いてあるから


components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2
      css={css`
        font-size: 48px;
        color: #ff0000;
        text-align: center;
        margin-bottom: 60px;
      `}
    >
      <span
        css={css`
          font-weight: normal;
        `}
      >
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

ただ、大きめのコンポーネントだと見た目ゴチャッとするかも


ちなみに・・・


Tailwind CSS

components/TailwindHeading2.tsx
export const TailwindHeading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2 class="text-xl text-center mb-12">
      <span class="font-normal">
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

Tailwind CSSも、単機能なクラスをたくさん使って

HTMLの中でスタイリングする感じで、考え方が似てますよね!


まとめ


HTMLの中にCSSを直書きすることで・・・

  • スタイルに名前をつけなくて済む
    • 「この値は、要するにこういうものだから・・・この名前だな!」
      →という思考コストを削減できる
  • HTMLとCSSのコードを行き来しなくて済む
  • コンポーネント化されていれば、何度も書く必要もない

逆に、名前をつけるメリット


基本的に、なんでも名前をつけたほうがいいです


細かく名前をつけない場合

const totalPrice = 1000 + 1000 * 0.1

細かく名前をつけた場合

const itemPrice = 1000
const taxRate = 0.1
const tax = itemPrice * taxRate
const totalPrice = itemPrice + tax

なんのための数値か分かるため、リーダブルに。


「説明変数」なんて呼ばれます


でも・・・


components/Heading2.tsx
export const Heading2: React.FC = ({ children }) => {
  return (
    <h2
      css={css`
        font-size: 48px;
        color: #ff0000;
        text-align: center;
        margin-bottom: 60px;
      `}
    >
      <span
        css={css`
          font-weight: normal;
        `}
      >
        {children}
      </span>
    </h2>
  )
}

ここまで明白なら、命名なしでもいい気がします


(この、h2要素のところに書いてあるCSS、なんのためのCSSだろう・・・?)


→h2要素をスタイリングするために決まっているので、悩むこともなさそう


そのスタイルについて何か説明したい場合は、名前をつけて、コメントも書いたほうがいいと思います


ということで・・・


さらにまとめ


小さめのコンポーネントをたくさん書くこと、結構あります


説明不要なスタイルも、結構あると思います


そんなときは「名もなきスタイル」割と良いと思います


ご清聴ありがとうございました!

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