Twilioで電話したらSMSを送るアプリをHerokuで作る

Twilioで電話をしたらその電話へSMSメッセージを送るサンプルアプリを作っていこうと思います。
サーバーサイドはHerokuで作ろう。言語はrubyです。フレームワークはsinatraで。(Ruby on Railsがまだ覚えられてない。。）

実行環境

• ruby 2.1.3p242
• OSX Yosemite 10.10.5
• sinatra 1.4.6

目次

1. Herokuでアプリを作る
2. Twilioで電話番号を購入&設定
3. 2の電話番号に電話してSMSのメッセージがくるのを確認

Herokuでアプリを作る

初期設定

どこでもいいので、作業ディレクトリを作ってgit,Gemfileを作ります

# フォルダ作成＆移動
mkdir sample-app && cd sample-app
 
# Gitリポジトリにする
git init

# Gemfile の生成
bundle init

Gemのインストール

vim Gemfile

Gemfileを編集します。

# A sample Gemfile
source "https://rubygems.org"

# gem "rails"
gem 'sinatra'
gem 'sinatra-contrib', '~> 1.4.2'

# twilio
gem 'twilio-ruby', '~> 3.12'

# Unicorn
gem 'unicorn'
gem 'faraday'

group :development, :test do
  # Foreman
  gem 'foreman'

end

group :production do

end

Gemfileが終わったらインストールします。

bundle install --path vendor/bundle --without production

###アプリの作成
今回はsinatraでアプリケーションを作っていきます
アプリケーションの本体となるmain.rbを作ります。

vim main.rb

main.rbでとりあえず、動くHerokuアプリを作ります。

main.rb

require 'sinatra'
require 'sinatra/base'
 
class MainApp < Sinatra::Base
  get '/' do
    'Hello, World!'
  end
end

MainAppというクラスにgetでHello,worldを出すだけです。
次にHerokuの実行環境に必要なconfig.ru と unicorn.rb と Procfileを作ります。

config.ruを作ります。

vim config.ru

config.ru

require './main.rb'
run MainApp.new

unicorn.rbを作ります。

mkdir config && vim config/unicorn.rb

config/unicorn.rb

worker_processes Integer(ENV["WEB_CONCURRENCY"] || 3)
timeout 15
preload_app true
 
before_fork do |server, worker|
  Signal.trap 'TERM' do
    puts 'Unicorn master intercepting TERM and sending myself QUIT instead'
    Process.kill 'QUIT', Process.pid
  end
 
  defined?(ActiveRecord::Base) and
    ActiveRecord::Base.connection.disconnect!
end
 
after_fork do |server, worker|
  Signal.trap 'TERM' do
    puts 'Unicorn worker intercepting TERM and doing nothing. Wait for master to send QUIT'
  end
 
  defined?(ActiveRecord::Base) and
    ActiveRecord::Base.establish_connection
end

Procfileを作ります。

vim Procfile

web: bundle exec unicorn -p $PORT -c ./config/unicorn.rb

アプリを起動してみます。GemfileにForemanを入れているので起動してみます。

foreman start

http://0.0.0.0:5000にアクセスしてHello, World!が表示されていたらとりあえず成功です。

Herokuアプリの作成

Herokuのアプリも作ってしまいましょう

heroku create TWILIO_APP_NAME
git add .
git commit -m 'first commit.'
git push heroku master

うまく成功すれば、http://TWILIO_APP_NAME.herokuapp.comでもHello, World!が表示されるはずです。

Twilioアプリを作る

ここまでは、準備段階。いよいよ、電話をしたらSMSメッセージが送られるTwilioサンプルを作っていきます。

main.rbを編集します。

main.rb

require 'sinatra'
require 'sinatra/base'
require 'twilio-ruby'
require 'rubygems'
require 'net/http'
require 'uri'
require 'faraday'

class MainApp < Sinatra::Base

    before do
		@rootPath = 'https://TWILIO_APP_NAME.herokuapp.com'

    end
    
end

必要なライブラリーをrequireで指定して、 beforeでインスタンス変数@rootPathを作成しました。Herokuのパスを他でも使えるようにしています。

###電話着信の処理

main.rb

	post '/call' do
		content_type "text/xml"

		#かかってきた電話番号
        fromNumber = params[:From]
		Twilio::TwiML::Response.new do |r|
			r.Say "Twilioのエスエムエスサンプルです。この後強制的にあなたのエスエムエスにメッセージを送ります。ごめんね", language: 'ja-JP', voice: 'alice', loop: '3'
			r.Pause
			r.Redirect "#{@rootPath}/postsms/#{fromNumber}" , method: 'post'
		end.text
   end

誰かからTwilioの電話番号へ電話がかかってきた時のTwilioの応答処理を実装していきます。
post '/call' doでhttps://TWILIO_APP_NAME.herokuapp.com/callにpostでリクエスト来た時に応答するようにします。
これはあとで、Twilioの電話番号にも指定するので覚えておきます。

content_type "text/xml"
デバックがしやすいようにcontent_typeをxmlにします。

		#かかってきた電話番号
        fromNumber = params[:From]

かかってきた電話番号はパラメーターでFromの中に入っています。
他に取得できるパラメーターは以下で確認できます。

TwiMLTMメッセージ : Twilioのリクエスト

さて、Twilioの自動音声を実装します。

		Twilio::TwiML::Response.new do |r|
			r.Say "Twilioのエスエムエスサンプルです。この後強制的にあなたのエスエムエスにメッセージを送ります。ごめんね", language: 'ja-JP', voice: 'alice', loop: '3'
			r.Pause
			r.Redirect "#{@rootPath}/postsms/#{fromNumber}" , method: 'post'
		end.text

r.SayでTwilioの自動音声させる文章や、言語、声の種類、ループ回数を指定しています。
r.Pauseでちょっと待機させて、r.RedirectでSMSを処理するリクエストを投げる処理へ移動させます。

(/callのこの部分で、SMSをポストすることもできたんですが、それだと電話中にSMSが送られてしまいました。なので、r.Redirectでリダイレクトさせて、ほかのURLでSMSのポストをすることにしました。)

###電話を終了させる

main.rb

   post '/postsms/:fromNumber' do
		content_type "text/xml"
		#かかってきた電話番号
        fromNumber = params[:fromNumber]

		Twilio::TwiML::Response.new do |r|
				conn = Faraday.new(:url =>  @rootPath) do |faraday|
					faraday.request  :url_encoded             # form-encode POST params
					faraday.response :logger                  # log requests to STDOUT
					faraday.adapter  Faraday.default_adapter  # make requests with Net::HTTP
				end
				conn.post "/sendsms/#{fromNumber}"

			#hangupで終了させないとだめ
			r.Hangup
		end.text

   end

SMSの処理です。この処理に来た時点ではまだTwilioとの電話は継続しています。SMSへのpostリクエストを送ってから、電話を終了させます。
Twilioの処理としては、r.Hangup電話を終了させているだけです。

		Twilio::TwiML::Response.new do |r|
			#hangupで終了させないとだめ
			r.Hangup
		end.text
		
		

電話を終了させる前に、rubyのHTTP クライアントライブラリ Faraday でpostリクエストを投げます。

Faradayの詳しい説明はこちら

main.rb

				conn = Faraday.new(:url =>  @rootPath) do |faraday|
					faraday.request  :url_encoded             # form-encode POST params
					faraday.response :logger                  # log requests to STDOUT
					faraday.adapter  Faraday.default_adapter  # make requests with Net::HTTP
				end
				conn.post "/sendsms/#{fromNumber}"
				

###SMS送信
SMSを送信する処理です。

main.rb

	post '/sendsms/:postPhoneNumber' do
		content_type "text/xml"
		
		postPhoneNumber = params[:postPhoneNumber]

		if postPhoneNumber != nil
			#先頭の0を国際番号+81に入れ替える
			postPhoneNumber = postPhoneNumber.gsub(/\A0/, "+81")

			#アカウント
			account_sid = "ACxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
			auth_token = "yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy"

			client = Twilio::REST::Client.new account_sid, auth_token

			# Your Twilio number
			from = "+1xxxxxxxxxx" 
					 
			client.account.messages.create(
			:from => from,
			:to => postPhoneNumber,
			:body => "smsメッセージをtwilioで送りました・ω・"
			)

		end
		
   end

SMS送信する処理は以下です。

main.rb

			#アカウント
			account_sid = "ACxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
			auth_token = "yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy"

			client = Twilio::REST::Client.new account_sid, auth_token

			# Your Twilio number
			from = "+1xxxxxxxxxx" 
					 
			client.account.messages.create(
			:from => from,
			:to => postPhoneNumber,
			:body => "smsメッセージをtwilioで送りました・ω・"
			)

アカウントのaccount_sid とauth_token は自分のTwilioのアカウントを指定します。
ここにTwilioにログインして
プログラマブルVOICE > はじめよう > APIクレデンシャルを表示する
で確認ができます。

main.rb

# Your Twilio number
from = "+1xxxxxxxxxx" 

ここはあとで電話番号を買うのでその番号を指定します。

コードは以上です。

Herokuにデプロイする

ここまで作ったらHerokuにデプロイしましょう

git add .
git commit -m 'twilio sms app commit.'
git push heroku master

Twilioで電話番号を購入&設定

Twilioで電話を買います。
SMS送信できる電話番号はアメリカの番号です。
なのでアメリカの番号を買いましょう

Twilioログイン後、プログラマブルVOICE　> 電話番号 に移動します。
https://jp.twilio.com/user/account/voice/phone-numbers

Buy a Numberボタンを押します。

国をアメリカに指定して検索

好きな電話番号を選んで購入します。

購入が終わったら
プログラマブルVOICE　> 電話番号 に戻り、電話番号に紐づくURLを登録します。HerokuアプリのURLになります。

今回はアクセスが/callにアプリで作っているので
http://TWILIO_APP_NAME.herokuapp.com/callのURLを指定します。

main.rbの電話番号を買った電話番号に更新しましょう

main.rb

# Your Twilio number
from = "+1xxxxxxxxxx" 

そしてHerokuにデプロイします。

git add .
git commit -m 'add phone number.'
git push heroku master

2の電話番号に電話してSMSのメッセージがくるのを確認

ここまでくれば購入した電話番号に電話をすればSMSが来るはずです。
が、国際電話になるので、ちょっと戸惑いました。。

私のキャリアがSoftbankのiPhoneを使っているのですが、国際電話には
010 > 国番号 > 相手先電話番号
または

• 国番号 > 相手先電話番号
  をしないと電話がかけられないみたいです。
  http://www.softbank.jp/mobile/service/global/outgoing/call/support/setting-method/iphone/

アメリカの国番号は1です。

なので仮にTwilioで+1 123-456-7890という電話番号を購入したのなら

キーパッドで010 1 1234567890と入力すれば電話がかけられるようになります。

上手く行けば電話が終わったあとにSMSにメッセージが来るはずです！

#最後に
TwilioでHerokuのアプリを作って電話購入までをまとめました。
国際電話のかけかたとか、プログラムではないところでつまづいたので、参考になれば幸いです。

参考

• http://dev.classmethod.jp/server-side/ruby-on-rails/sinatra-postgresql-unicorn-on-heroku/
• https://gist.github.com/mitukiii/2775321
• http://qiita.com/srockstyle/items/111d25f44ef2cc51d9ac
• http://dev.classmethod.jp/server-side/twilio/twilio-sms/
• https://jp.twilio.com/docs/quickstart/ruby/sms/sending-via-rest