はじめに
今回は「エンジニア1年生の自分に読んでもらいたい書籍」を紹介します。
自分は2021年4月に新卒でweb系エンジニアに就職し、2022年で2年目になります。
1年前の自分のスキル感としては、
- HTMLとCSSで静的コーディングができる
- jQueryで動きをつけたwebサイトを作れる
- ReactとTypeScriptのチュートリアルレベル
- PHPで簡易ブログを作れる
これくらいのスキルセットでした。(入社前にインターンや独学で勉強してたレベル)
そんな1年前の自分へ「エンジニアとしてこの書籍は読んでおいてほしい」というものを紹介します。
1年前の自分の実体験も入れつつ、「何故その書籍を読んでもらいたい」のかも加えて解説します。
この記事の対象者
- エンジニアになるために勉強をしている人
- エンジニア1年生
- 技術書をそこまで読んでこなかった人
エンジニア全般
リーダブルコード
まずはじめに紹介する書籍は、言わずと知れた「リーダブルコード」です。
リーダブルコードはコードを書く人は全員が読むべき書籍とも謳われている名著でもあります。
リーダブルコードを読むことで「他の人が読んだ時に理解されやすいコードの書き方」を学ぶことができます。
具体的にリーダブルコードを読むことで、
- 理解しやすいコードとは何か
- 変数の命名について
- コメントアウトについて
- 理解されやすいロジックの書き方
といった内容を学ぶことができます。
1年目の自分はプルリクエストのレビューコメントで、
「この部分って他の人が読んだ時に理解できますか?」
「このコメントアウトって必要ですか?」
「この変数の命名って適切じゃないですよね_」
といったことをしばしば指摘されていました。
そういった中で、先輩に相談したところリーダブルコードを勧めてくれました。
正直なところ、初心者だと読み進めていくのに時間がかかります。
リーダブルコードは「1周目で全てを理解して終わり」ではなく「何周もして味を出しつつ理解をしていく」ような書籍だと自分は思ってます。
「何周もして味を出す」とは理解するまで読み込むわけではなく、コードを書く時に詰まった際はこの書籍に立ち返るといった位置付けで読むのがよいのかと思います。
そのため、初級者~上級者の全員が読んでも「学びを得られる書籍」だと思います。
なおリーダブルコードについて要点整理はこちらの記事で解説しているのでぜひ読んでみてください。
プロになるためのWeb技術入門
次に紹介する書籍は、Web系についての知識が網羅的に学べる「プロになるためのWeb技術入門」です。
プロになるためのWeb技術入門では、
- Webアプリケーションとは
- Webアプリケーションの歴史
- HTTPとは何か
- Webアプリの構成要素について
- Webアプリの開発について
- セキュリティーについて
といったWeb系の開発をする上で必須の知識を基礎から網羅的に学ぶことができます。
1年目の自分は、がむしゃらにコードを書くことばっかりに集中していたので「裏側の処理がどのように行われているのか」といった内容をそこまで理解していませんでした。
その結果、セキュリティー周りの開発タスクが振られた時にかなりの苦戦を強いることになってしまいました。
そういった中でこちらの書籍も先輩エンジニアが勧めてくれました。
この書籍は解説のほとんどで図を使っているので、初心者でも理解しやすい内容になっています。
「もっと早く読んでおけば..」と書籍を読んだ後に後悔したので紹介しました。
Web系エンジニアとして働いている人は一度は読んでもらい書籍だと思っています。
キタミ式イラストIT塾 (基本情報対策)
次に紹介する書籍は、基本情報技術者試験対策でもお馴染み「キタミ式イラストIT塾」です。
キタミ式イラストIT塾では、
- ハードウェア・ソフトウェア
- データベース
- セキュリティー
- ネットワーク
- システム開発
といったIT知識の全般を網羅的に学ぶことができます。
資格は取らずともIT業界で働く人が知っておくべき知識を網羅的に学ぶことができるので、1年目の人には強くおすすめしたい書籍です。
また、基本情報技術者試験の勉強については下記の記事で解説しているのでこれから学習を始める人はぜひ参考にしてみてください。
なるほどデザイン
次に紹介する書籍は、「なるほどデザイン」です。
こちらの書籍は必読書ではないですが、エンジニアとしてデザイン知識も少しは身に付けておきたいという人向けの書籍になっています。
デザインの基礎や「なぜこのデザインにしているのか」という内容を学ぶことができます。
読むと題名の通り「なるほど」ってなります(笑)
個人開発をしている人やエンジニアとしてある程度のデザイン知識を身につけておきたいという人にはおすすめの書籍です。
オブジェクト指向UIデザイン
次に紹介するのは「オブジェクト指向UIデザイン」です。
こちらもデザイン系の書籍ですが、エンジニアとして要件を決める際や画面設計する際に必要な知識の基礎を学ぶことができます。
オブジェクト指向UIデザインでは
- オブジェクト指向UIとは何か
- タスク指向UIの問題
- オブジェクト指向UIの設計
といった内容を学ぶことができます。
こちらの書籍は、自分が自社アプリのUI設計タスクを行なっていた際にデザイナーの方におすすめされた書籍です。
UIを設計する際に「なぜこのデザインにしたのか」をロジカルに説明するのを苦戦していた中でお勧めされた書籍で、内容もわかりやすいのでサクッと概要を掴むことができます。
エンジニアの方でUI設計を将来的にしていきたい人や、個人開発をしている人にはおすすめの一冊なのでぜひ読んでみてください。
Web制作者向け
HTML&CSSとWebデザイン入門講座
Web制作系で最初に紹介するのはデザインの基礎からWeb制作の実装までもが網羅されている「HTML&CSSとWebデザイン入門講座」です。
入門書でありながらも、「ユーザーに取って使いやすいデザイン」を基に、デザインの基礎から、さまざまなタイプのwebサイトの実装を学ぶことができます。
またコーディングに関してもHTMLやCSSのコードの解説および、実装パターンなども数多く載せられているので、web制作を学習したい人は入門から基礎までこの1冊で網羅的に学ぶことができます。
また演習問題もついているのでアウトプットを通す中で、知識を定着させやすくなります。
さらにこの書籍を読み終わった人や中級者以上の方には、HTML&CSSとWebデザイン実践講座もあるので、スキルをより定着させた人や現場で即戦力として活躍したい人は合わせて読むことをお勧めします。
作って学ぶ HTML&CSSモダンコーディング
次に紹介するのは実際にWebサイトを作っていく中でパーツごとの実装法や全体のレイアウトをを学ぶことができる、作って学ぶ HTML&CSSモダンコーディングです。
こちらの書籍では最新のCSS関数などを利用し、Webサイトを実際に1つ制作する中で幅広い実装手法を学ぶことができます。
現場でもよく使う技術や、知っていると実装がより便利になる小技なども解説しているのでかなり勉強になります。
jQuery標準デザイン講座
次に紹介するのは「jQuery標準デザイン講座」。
こちらの書籍では、Web制作で必須であるjQueryの実装手法に特化した解説書になっています。
jQuery標準デザイン講座では、
- 実務でよく利用するものが網羅的に紹介されている
- サンプルコードも豊富なので学びやすい
- 解説が噛み砕かれているので初心者でもついていきやすい
Web制作周りのアニメーションといった動きにに関するパターンを網羅的に学ぶことができます。
CSS設計完全ガイド
次に紹介するの書籍は「CSS設計完全ガイド」です。
エンジニアとしてCSSは必ず使う技術でもあるので一度は読んでもらいたい書籍だと思っています。
CSS設計完全ガイドでは、
- CSSの歴史と問題点
- CSS設計について
- レイアウト設計
- 最小モジュール
- 複合モジュール
といった内容を学ぶことができます。
CSSの歴史的な解説から始まり、BEMやPRECSSといったCSSの設計についての解説をした上で、コンポーネント単位の具体的な実装法やレイアウトの定義といった内容を学ぶことができます。
具体的なコーディングによる解説がついているので初心者でも理解しやすいですし、仕事でも使い回せることができます。
自分自身もCSSを実装する際はこの書籍の実装法を基としています。
また読み終えた後は辞書的なものとしても利用できます。
仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書
次に紹介するのはWordPress開発について体系的に学ぶことができるWordPress 仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書です。
こちらの書籍では現代のWeb制作においてほぼ必須にもなっているWordPress化について基礎から実際にWebサイトを制作しながら学ぶことができる書籍になっています。
はじめに簡易的な静的コーディングを行い、その上でPHPでWordPress用の実装を追加していく流れで進められていく構成になっています。
WordPress開発で必須のカスタム三兄弟等も丁寧に解説されているので、WordPressの初学者でもとっつきやすいです。
また現場でも辞書的なた立ち位置として利用できるので読み終わった後も重宝できます。
フロント向け
JavaScript本格入門
フロント向けの書籍でまずはじめに紹介するのは「JavaScript本格入門」です。
JavaScript本格入門は入門とは書いているものの、ある程度の基礎知識がある(progateのJavaScriptが終わっているレベル)の人向けの書籍です。
JavaScript本格入門はJavaScriptを「分かったつもり」の人に対して「本質的な部分の理解を手助けしてくれる」ような書籍になっています。
ReactやTypeScriptを勉強中の人も一度立ち返ってもらいたいような内容が詰め込まれています。
自分はDOMの操作や非同期所理をなんとなくの理解で使っていたので、時々苦しい目にあっていました。
そういった中でこの書籍でJavaScriptを本質から学びなおしたことでよりスムーズに実装ができるようになりました。
モダンJavaScriptの基本から始める React実践の教科書
次に紹介する書籍は「モダンJavaScriptの基本から始める React実践の教科書」です。
こちらの書籍はReactを基礎から学ぶことができる書籍になっています。
具体的にこの書籍では、
- JavaScriptの基礎知識
- Reactの基本
- Reactで利用するCSS
- レンダリングについて
- グローバルstate
- React×TypeScript
- カスタムフック
といったJavaScriptの基礎からReactまたTypeScriptまでを学ぶことができます。
実際に簡易的なアプリ開発を通しながらReactを学ぶことができるので、理解もしやすいです。
また実務でも直結するような内容も解説されています。
ReactやTypeScriptを基礎から学びたい人にはおすすめの書籍です。
プロを目指す人のためのTypeScript入門
次に紹介するのはフロント界隈でも有名なuhyoさんが執筆した通称ブルーベリー本です。
こちらの書籍ではJavaScriptで使う言葉の定義から丁寧に解説されており、TypeScriptの実装手法や書き方を網羅的に学ぶことができる書籍になっています。
具体的には、
- 基本的な文法と型
- オブジェクトの基本
- 関数
- クラス
- 高度な型
- モジュールシステム
- 非同期処理
とTypeScriptの基礎から後半では応用的な手法を学ぶことができます。
特に6章では少し難易度は上がるものの、現場で使える記法を多数紹介しているのでかなり勉強になりました。
また各章ごとに良質な演習問題が掲載されているので学んだ知識をすぐにアウトプットさせることができます。
TypeScriptとReact/Next.jsでつくる実践Webアプリケーション開発
フロント周りで最後に紹介するのは、実際にアプリ開発をしていく中でモダンフロントを学ぶことができるTypeScriptとReact/Next.jsでつくる実践Webアプリケーション開発
こちらはかなり最新の書籍になっており、今やフロントの現場ではほぼ欠かせないTypeScriptとReactの開発を基礎から応用まで学ぶことができる書籍になっています。
具体的に学べる内容としては、
- Next.js×TypeScriptによるモダン開発
- TypeScriptの基礎
- ReactとNext.jsの基礎
- コンポーネント開発
- Webアプリケーション開発
を学ぶことができます。
コンポーネント設計など重要な概念も丁寧に解説されているので初心者でも躓くことなく学習を進められます。
またNext.jsのレンダリング手法であるSSG、CSR、SSR、ISRといった少し理解するのが難しい概念もわかりやすい解説がされているのでこの書籍1冊で基礎から応用までをカバーすることができる書籍になっています。
これからフロントエンドの学習をする人や学んだ知識を実際にアプリ開発を通してアウトプットしたい人にはおすすめの書籍になっています。
なおフロントエンド周りの学習法については解説はこちらの記事にまとめています。
バックエンド向け
次にバックエンド向けの書籍を紹介します。
Web API: The Good Parts
まずはじめに紹介するのは、「Web API: The Good Parts」です。
こちらの書籍はWeb系エンジニアとして必須項目であるAPIについて基礎から学ぶことができます。
The Good Partsでは、
- Web APIとは何か
- エンドポイントの設計とリクエストの設計
- レスポンスデータの設計
- 設計を変更しやすいAPI
を学ぶことができます。
自分がAPI設計の知見がほとんどなかった中でRailsでAPIを実装するタスクを振られた際にかなり役立ちました。
「APIを開発する上での必読書」とも言われている名著です。
昨今フロントエンジニアでもある程度のAPIの知識は開発をする上でも必要になっています。
そういった中でThe Good PartsではAPIを基礎から設計まで丁寧に解説をしてくれているので、実務でAPIを使ってる人には読んでもらいたい一冊です。
スッキリわかるSQL入門
次に紹介するのは「スッキリわかるSQL入門」です。
こちらの書籍ではバックエンドを担当するエンジニアにとってはほぼ必須であるSQLを基礎から演習を通して学ぶことができる書籍になっています。
基本的なSQLから少し応用的なSQLまで幅広く現場で役立つ知識がまとめられています。
スッキリわかるSQL入門で学べる内容としては、
- SQLの4大命令について
- 絞り込み
- 検索結果の加工
- グループ化
- 副問い合わせ
- 複合テーブルの結合
- データベース設計
といった、SQLとデータベースの基礎を網羅的に学べます
SQLはアクティブレーコードがあるといえど、バックエンドを実装する人は知っておかないと後々詰まる箇所が出てくるので一度基礎から学ぶことが重要です。(実体験)
また、基本情報技術者試験のデータベース対策としても重宝できる書籍になっています。
達人に学ぶDB設計書
次に紹介するのは、「達人に学ぶDB設計」です。
こちらの書籍ではデータベース設計について設計手法や正規化、アンチパターンなど網羅的に学べる書籍になっています。
達人に学ぶDB設計で具体的に学べる内容としては、
- 論理設計と物理設計について
- 正規化について
- 複数のテーブル関係を表現する
- 論理設計
- 物理設計
- データーベースのパフォーマンス
- テーブル設計のアンチパターン
を学ぶことができます。
題名にもある通りDB初学者というより、基礎的な知識(SQLなど)は身につけている人がよりステップするためにお勧めしたい書籍になっています。
なおデータベース設計についてはこちらの記事でまとめているのでぜひ読んでいただければと思います。
達人に学ぶSQL徹底指南書 第2版 初級者で終わりたくないあなたへ
次に紹介するのは、「達人に学ぶSQL徹底指南書」です。
こちらの書籍ではSQLの基礎から発展的な内容を学ぶことができます。
先ほど紹介したスッキリわかるSQL入門を学習した人やSQLの基礎を理解している人にとって、ステップアップするための1冊になっています。
SQLを兼ねたテーブル設計についても学ことができます。
インフラ
図解 Amazon Web Servicesの仕組みとサービスがたった1日でよくわかる
インフラを入門したい人にまずおすすめしたいのは、図解 Amazon Web Servicesの仕組みとサービスがたった1日でよくわかるです。
こちらの書籍では図解を多用してAWSの内容を広く学ぶことができる一冊になっています。
これからAWSの学習をはじめる人やAWSの全体像を把握したい人にはおすすめの一冊です。
セキュリティー関連
体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方
セキュリティー関連でおすすめの書籍は、体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方です。
通称、徳丸本とも呼ばれセキュリティー学習書籍の名著でもあります。
セキュリティーやWebシステムがわからない人でも基礎から応用的な内容までこれ一冊でカバーすることができます。
具体的には下記の内容を学ぶことができます。
- Webアプリについて
- Webアプリの脆弱性
- Webセキュリティーの基礎
- 脆弱性診断
- 安全にWebアプリを作るためのマネジメント
読み終わった後は、辞書的な役割も果たすのでエンジニアなら持っておいて損はない1冊になっています。
その他
個人開発をはじめよう!クリエイター25人の実践エピソード
最後にその他枠として「個人開発をはじめよう!クリエイター25人の実践エピソード」を紹介します。
こちらの書籍は、技術書というよりかは「個人開発をする上でのモチベーション維持や、開発の流れ、個人開発の良さ」を知ることができます。
具体的に25名の個人開発者の開発過程や苦難が紹介されています。
具体的な個人開発エピソードが解説されているので読みやすい書籍です。
こちらの書籍は
- 個人開発をしたい人
- 個人開発のアイディアが思いつかない人
- 開発からリリースそしてマーケティグ周りを一通り知りたい人
向けにはもってこいの書籍となっています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は1年前の自分に読んでもらいたい書籍の紹介をしました。
どんな書籍でも「買っただけで満足しない」ようにすることが大切だと思ってます。
自分も買っただけで満足して、結果的に積読されている書籍が現在もかなりあります..(汗)
そのため今回紹介した書籍の中でも「今の自分に必要なものは何か」という目的を持った上で購入し読むことをお勧めします。
他にもいろいろな記事を出しているのでぜひ読んでいただければと思います。