これは「TeX/LaTeX Advent Caleandar 2013」の 16 日目の記事です.
- 15 日目は yyu さん でした.
- 17 日目は abenori さん です.
本当は別のネタを書こうとしたが間に合わなかった.
概要
2年前にEmacsのorgmodeというものを用いて卒論を書いた時の話です.
大したネタではございません(LaTeX成分が少ないですがご容赦ください)
この記事に触発されてやりました.
http://d.hatena.ne.jp/r_takaishi/20100209/
長々と見たくないよと言う方はこちらが卒論をかきおわった時の感想です
https://twitter.com/PowerPC7450/statuses/171863564049580032
orgmodeとは
orgmodeは一言で言い表すのが難しいのですが,アウトライナーやら文書管理等
に使えるEmacsのメジャーモードです.文書の作成にも使用でき,orgmodeで書
くことにより様々な形式(LaTeX,HTML,…)に出力できます.文法としてはwiki
の文法に近いのでしょうか.
orgmodeのLaTeX出力の設定の仕方については今年のアドベントカレンダーで
kawabataさんが書いてらっしゃいます.
http://qiita.com/kawabata@github/items/1b56ec8284942ff2646b
どのように書くのか
r_takaishiさんのプログをみれば大体対応できる.
基本的な部分についてはLaTeXに知識は不要となる.
基本的にはこのように構造的に書くことができる.
# LaTeXのクラス.これは事前にorg-latex-classes変数等を設定しておく必要があります.
#+LATEX_CLASS: mythesis
#+TITLE: ××××の利用と評価
#+AUTHOR: らてふ 太郎
#+DATE: 平成xx年yy月zz日
# 標準では足りないパッケージのインポート
#+LATEX_HEADER: \usepackage{subfigure}
# ...
#+LATEX:\frontmatter
#+LATEX:\begin{abstract}
...(概要)
#+LATEX:\end{abstract}
#+LATEX:\mainmatter
* はじめに
近年××××の利用が活発化してきており,云々...
* ××××
本章では,××××について説明を行なう.××××は○○○○と△△△△から構成される.
** ○○○○
....
** △△△△
....
画像の挿入は,
#+CAPTION: 画像のキャプション
#+LABEL: fig:imgs_label
#+ATTR_LATEX: placement=[b] scale=1.0
[[/images/image.eps]]
といった風に書くことができる.
ちなみにLaTeXを直書きする場合は,他の形式に出力する際に出力しないために,
#+LATEX: \hoge
とか,
#+BEGIN_LATEX
\def\hoge{}
\def\fuga{}
#+END_LATEX
とかやったりします.プリアンブルの場合は,
#+LATEX_HEADER: \usepackage{subfigure}
などとすることで対処します.
LaTeXを直に書くことと比較して
orgmodeを使う利点
-
凝ったものを書かなければ概ねLaTeXに触れること無く書ける
- LaTeXをあまり知らない場合は馴染みやすいかもしれない
-
節で内容の畳みこみができる
- 個人的には割と便利な機能ではあると感じています
- LaTeX直書きでも(elispで)実現は出来そう?
- ファイル分割すればいいと言われればそれまでですが
orgmodeを使う欠点
- 別パッケージで実現されたことを使用するとき等は結局LaTeX直書きになる
- 例えばsubfigureパッケージを使う場合などはorgmode単体で対応することができないので結局LaTeXを直書きすることになる
結論
普通のこと(orgmodeの対応している範囲のこと)を書く分には特にLaTeXの意識
をすることなく執筆できる.また再利用がより簡単になるという利点もあります.
しかしながらLaTeXに精通している方々や,細かな制御をしたくなってしまう場
合などはorgmodeを使うことは結構回り道になってしまいそうです.
LaTeXに詳しく無い人の多い研究室ではこれで卒論を書くのはいかがでしょうか.
おっとLaTeXコードが一行も無いぞ....