製品とサービスの更新(2017/09)で、ページの遷移を含むドリルスルーの設定ができるようになったので、その機能や設定手順などの解説メモ。
2018/05 の更新で メジャー(Measure) を利用するドリルスルーもできるようになった。
Power BI Desktop May Feature Summary
機能概要
レポートの同一ページに配置されたチャートやテーブルなどビジュアルの相互作用(フィルタリングと強調)に加え、インサイトを支援する機能としてドリルスルー ページが利用できるようになった。ユーザーが選択したビジュアル内の特定の要素に関連するデータを参照できるようになる。例えば、概要となるデータ(Summary)から詳細データ(Detail)に遷移する使い方などができるということ。
設定手順
設定手順は簡単。遷移先になるページを作成し、フィルター要素となる列(フィールド)を[ドリル スルー フィルター]に設定するだけ。
サンプルのクエリ
サンプルは非常にシンプルなデータとするが、構成されたデータモデルの多くではディメンジョンテーブルのフィールドを使うことになると思う。
let
Source = #table(
type table [担当者 = text, 製品 = text, 数量 = Int64.Type],
{
{"田中", "商品A", 20}
,{"田中", "商品B", 100}
,{"田中", "商品C", 50}
,{"鈴木", "商品A", 20}
,{"鈴木", "商品B", 10}
,{"鈴木", "商品C", 30}
,{"山田", "商品B", 5}
,{"山田", "商品C", 40}
}
)
in
Source
※[クエリ エディター] - [詳細エディター]にコピペ
ビジュアルの配置
いくつかの動作パターンが確認できるので "マトリクス" をレポート上に配置。
ページの追加と設定
ページを複製しページ名を変更。そして、[ドリル スルー フィルター]にドリルスルー時に使用されるフィールドを設定する。
[ドリル スルー フィルター]を設定すると [戻る]ボタン が設定されたイメージが自動的に配置される。
[戻る]ボタン
直前に参照していたページに戻る機能を持つ。
そのまま使ってもよいし、[図形の書式設定]で見た目を調整するも自由。挿入したイメージや図形でも構わない。[戻る]ボタンオプションが"オン"になっていれば機能する。Power BI Desktop での操作は、Ctrl + 右クリック。
ドリルスルー ページのデザイン
サンプルではページを複製しドリルスルーの動作がわかりやすいようにしたが、本来では目的に応じたページを作成することになる。[ドリル スルー フィルター]設定時にはフィルターに使用される値が選択されていないが、任意のフィルター値を選択しページの表示を確認しながらページのデザインを行うことができる。
動作の確認
コンテキスト メニューからドリルスルーできるページを選択できるようになり、また、選択したビジュアル上の要素によりドリルスルー先として選択できるページは異なる。コンテキスト メニューに表示されるのは "ページ名" なのでユーザーにわかりやすい命名が必要。
コンテキスト メニュー
ドリルスルー オプションを有効にしたとき
ドリルスルー オプションが有効になっているときは、ドリルスルー先だけのコンテキスト メニューになる。
Power BI Desktop
Power BI Service
ドリルスルー ページが選択できない理由
- フィールドが表示されていないか、使用されていない
ドリルダウンなどができるビジュアルで[ドリル スルー フィルター]に設定したフィールドが表示されていない状態や誤ったフィールドを[ドリル スルー フィルター]に設定している。
-
集計された値
2018-05 更新で集計された値であるメジャー(Measure)もサポートされた。
例えば、マトリクスの値フィールドは常に集計された値が表示されるので、この値をもとにドリルスルーを機能させることはできない。値が集計されない設定をしたビジュアル(テーブルなど)ではこのサンプルデータでも動作は可能。 -
対応していないビジュアル