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SoftLayer仮想サーバにVyOSをインストールしました

Last updated at Posted at 2015-08-31

1. はじめに

 SoftLayerDCでVPN構成する際には、ポータルからオーダーできる仮想サーバ+VyattaCEの組み合わせがよく使われています。
 このSoftLayerが仮想サーバで提供しているVyattaCEは、2015年8月末で提供終了し、2015年10月8日にはサービスを終了する予定だそうです。(2015年8月現在)
代替手段としては、ベアメタルサーバと有償版のVyattaSEやBrocade社提供の製品を使用する事が考えられますが、ベアメタルサーバが前提であったり有償版のため、費用が高くなってしまいます。
(ただし、高可用性、GUI設定やサポートが必要な場合は、有償版をお薦めします。)
  
今回は、VyattaCEの代替としてVyOSを使用し、仮想サーバにVyOSをインストールする手順 をまとめました。
尚、TeraTermでVyOS接続できるまでの記述ですので、VyOSの詳細設定は省略しています。VyOSのサイトを参考にしてください。
http://wiki.vyos-users.jp/

2. 全体の流れ

 SoftLayerポータルより、仮想サーバ(Debian7)をオーダーし、ISOブートでVyOSを導入します。
01.png

3. ①仮想サーバ(Debian7)のオーダー

下記構成でオーダーしました。
02.png
費用は$56.6/月。(2015年8月現在)
CPU、メモリー、ネットワーク速度は必要に応じて調整してください。

数分で仮想サーバが出来上がりました。
サーバ名は「Debian7」です。
10.png

以上で「①仮想サーバ(Debian7)のオーダ」完了!

4. ②VyOS(iso)のダウンロード

 最新版のVyOS1.1.6-64bit (Last modified 2015-08-17 14:01 )の「vyos-1.1.6-amd64.iso」をダウンロードします。

http://wiki.vyos-users.jp/
03.png
「物理環境および仮想環境 64-bit: [1] 」をクリック。

クライアントPCにダウンロードしました。
12.png

◆過去のバージョンをご希望の場合はこちらから。
http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/software/vyos/iso/release/
07.png

以上で「②VyOS(iso)のダウンロード」完了!

5. ③VyOS(iso)をObjectStorageへ転送

少々面倒ですが、ここではクライアントPCにダウンロードした「vyos-1.1.6-amd64.iso」SCPで仮想サーバへ転送し、Debian7にCloudFuseを導入してから、ObjectStorageをマウントした上で、ObjectStorageへコピーしました。
08.png

注意!「CloudBerry Explorer for OpenStack Storage」で直接コピーした「vyos-1.1.6-amd64.iso」はインポートイメージができませんでした。
また、ポータルから転送も転送状況がわからないので、面倒ですが上記の方法をとりました。

5-1. 「vyos-1.1.6-amd64.iso」をSCPで転送(クライアントPC⇒Debian7)

SCPは「WinSCP Ver5.7.5」を使用しました。

「WinSCP」は下記サイトからダウンロードできます。
https://osdn.jp/projects/winscp/
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/winscp/

17.png
「WinSCP」起動。

19.png
仮想サーバの「IPアドレス」、「ユーザ名」、「パスワード」を入力し、「ログイン」ボタンを押す。

20.png
初めて接続時にこのダイアログが表示されるので、「はい(Y)」を押す。

25.png
コピー先はDebian7の「/tmpディレクトリー」 にしました。
「vyos-1.1.6-amd64.iso」ドラッグ&ドロップ

26.png
アップロード中。

27.png
「vyos-1.1.6-amd64.iso」を「/tmpディレクトリー」へアップロード完了。
29.png

5-2. 「vyos-1.1.6-amd64.iso」をDebian7からObjectStorageへコピー

5-2-1. CloudFuseのインストール

Debian7へCloudFuseをインストールする前に、CloudFuseビルドに必要なツール をインストールします。

CloudFuseビルド用ツールのインストール
# apt-get install build-essential libcurl4-openssl-dev libxml2-dev libssl-dev libfuse-dev ⏎

31.png

次に、Git関連のインストール。

Git関連のインストール
  # apt-get install git ⏎

33.png

GitでCloudFuseをクーロン

CloudFuseをクーロン
  # git clone https://github.com/redbo/cloudfuse ⏎

35.png

CloudFuseをビルドとインストール

CloudFuseをビルドとインストール
 # cd cloudfuse ⏎
 # ./configure ⏎
 # make ⏎
 # make install ⏎

37.png

これで、Debian7にCloudFuseインストール完了です。

5-2-2. ObjectStorageのCredential情報入手

※Object Storageはオーダー操作、設定は省略します。
ここでは、アカウントの下のクラスターをTokyo2。その中に、「testdata」というコンテナを作りました。

まず、CloudFuseの設定をするために、ObjectStorageの情報(Credentials)
・Authentication Endpoint:
・Username:
・API Key (Password):

を入手します。

ポータルでの操作です。
39.png
「Storage」「Object Storage」クリック。

41.png
「vyos-1.1.6-amd64.iso」を保管する、ObjectStorageを選択し、クリック。

44.png
「ロケーション」を選択し、クリック。(ここでは、Tokyo2を選択しました。)

45.png
「View Credentials」をクリック。

47.png
Credential情報をメモ帳などにコピーし、保管。次のCloudFuse設定で使用します。
「OK」を押し、終了。

5-2-3. CloudFiseの設定

Debian7での操作です。
rootユーザでログイン後、「~/.cloudfuse」ファイルを作成し、Credentialを登録します。
ここでは、nanoを使用しました。

cloudfuseファイルを作成
  # nano ~/.cloudfuse ⏎

49.png

Credential情報の登録
  username=SLOSxxxxxx-2:SLxxxxxx
  api_key=cxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
  authurl=https://tok02.objectstorage.softlayer.net/auth/v1.0/

51.png
前の「5-2-2. ObjectStorageのCredential情報入手」で入手した、Credential情報を登録します。
「Ctl+x」「Y」で保存終了します。

5-2-4. ObjectStorageのマウント

「/mnt」にObjectStorageをマウントします。

ObjectStorageのマウント
# cloudfuse /mnt ⏎

53.png
マウント完了。

念のため、dfで確認。

dfでObjectStorageのマウント確認
# df ⏎

55.png
「/mnt」にObjectStorageがマウントされています。

5-2-5. 「vyos-1.1.6-amd64.iso」をObjectStorageへコピー

Debuan7の/tmpにある「vyos-1.1.6-amd64.iso」/mnt/testdataにコピーします。

vyos-1.1.6-amd64.isoをコピー
# cd /mnt/testdata ⏎
# cp /tmp/vyos-1.1.6-amd64.iso ./ ⏎

57.png

以上で、「③VyOS(iso)をObjectStorageへ転送」完了!

6. ④ VyOS(iso)のイメージテンプレート化

ポータルでの操作です。

「vyos-1.1.6-amd64.iso」をイメージテンプレート化します。
59.png
「Devices」「Manage」「Imeges」

61.png
「Import Image」タグを選択。

63.png
プルダウンより、「Account」「Cluster」(ロケーション)、「Container」「Image File」を選択し、「Image Name」を入力(ここでは「vyos-1.1.6-amd64」にしました)。
「Import」ボタンを押す。

65.png
イメージタイプISOの、「vyos-1.1.6-amd64」イメージが作成されました。

以上で、「④ VyOS(iso)のイメージテンプレート化」完了!

7. ⑤ VyOS(iso)のISOブート

あらかじめ準備した、Debian7に「vyos-1.1.6-amd64」をISOブートし、上書きインストールします。

67.png
対象の「Device」をクリックして、詳細表示します。

69.png
「Action」「Boot from Image」を選択。

71.png
「Boot from This Image」をクリック。

73.png
「Boot From Image」をクリック。

75.png
「OK」をクリック。

これで、ISOブートの指示が完了したので、これ以降「KVM」での操作となります。
尚、「KVM」での接続は管理ネットワーク経由の接続となりますので、あらかじめSoftLayerのSSL(無償)で接続しておいてください。
また、初めて「KMV」で仮想サーバ接続すると、Javaアプリケーションがブロックされますので、下記手順を実施してください。

77.png
「場所:http://10.3.30.24:5199」をメモして 下さい。下記手順で使用します。
「OK」を押して画面を閉じます。
クライアントPCで、「コントロールパネル」⇒「Java」⇒「セキュリティタグ」⇒「サイト・リストの編集」をクリック。
80.png
「追加」ボタンを押す。
82.png
一番下までスクロールし、矢印のフィールドに先ほどメモしたアドレスを入力後、「OK」ボタンを押す。
84.png
「続行」ボタンを押す。
「OK」ボタンを押して、「javaコントロール・パネル」を閉じます。
ブラウザーを全て閉じ、再度ブラウザーを開いて終了です。

「KVM」でサーバ画面を開きます。
86.png
「Action」「KVM Console」を選択

88.png
「実行」を押す。

90.png
VyOSがISOブートで起動されてます。
画面が黒い状態のままでしたら、黒い画面をクリックして、⏎キーを押してください。

以上で「⑤ VyOS(iso)のISOブート」完了!

8. ⑥ VyOSインストール

 プライベート/パブリックネットワークインターフェースはまだ、認識されていないため「KVM」でインストールします。
 VyOSのインストール方法は、
・システムインストール(install system)
・イメージインストール(install image)

の2通りありますが、ここではイメージインストールで行います。

93.png
 ログインID:vyos 、パスワード:vyos でログイン。
95.png

98.png
「install image」 ⏎

101.png
⏎ (Yes)

104.png
「No」⏎
ここでは、「RAID-1構成にしない」にしました。

106.png
「Auto」⏎
ここでは、パーティション構成を「自動」にしました。

109.png
「xvda」⏎
ここでは、「xvdaにインストール」しました。

112.png
「Yse」⏎
ここでは、「xvdaのデータを消去」にしました。

115.png
「Yse」⏎
ここでは、「Devian7サーバ作成時SSH Keyを保管」にしました。

117.png
「1000」⏎
ここでは、「サイズを1000MB」にしました。

119.png
「1000」⏎
ここでは、「名称を"1.1.6"」にしました。

121.png

121.png
「vyos」⏎
ここでは、「パスワードを"vyos"」にしました。

126.png
「xvda」⏎

127.png
「reboot」⏎
再起動。

129.png
VyOSが起動しました。

以上で「⑥ VyOSインストール」完了!

9. ⑦ VyOSネットワークの設定

eth0、eth1のIPアドレスやディフォルトゲートウェイ、がまだ設定されてないので、Teratermなのでアクセスできません。
eth0、eth1、gateway-address、sshの設定をします。

ポータルのデバイス詳細より、ネットワーク設定をメモ
131.png

VyOSの設定
「configure」コマンドで設定モードへ移ります。
次に、「show interfaces」でeth0、eth1の設定値を確認します。

設定モードへ
$ configure ⏎
interfaceの確認
# show interfaces ⏎

134.png

◆interface-eth0に、「address」「duplex」「smp_affinity」「speed」を設定。(Private)

interface-eth0設定
# edit interfaces ethernet eth0 ⏎
# set address xxx.xxx.xxx.xxx/26 ⏎
# set duplex auto ⏎
# set smp_affinity auto ⏎
# set speed auto ⏎
# commit ⏎
# save ⏎

136.png

◆interface-eth1に、「address」「duplex」「smp_affinity」「speed」を設定。(Public)

interface-eth1設定
# edit interfaces ethernet eth1 ⏎
# set address xxx.xxx.xxx.xxx/28 ⏎
# set duplex auto ⏎
# set smp_affinity auto ⏎
# set speed auto ⏎
# commit ⏎
# save ⏎

138.png

ゲートウェイアドレスの設定。

gateway-address設定
# edit system ⏎
# set gateway-address xxx.xxx.xxx.xxx ⏎
# commit ⏎
# save ⏎

140.png

sshの設定。

ssh設定
# edit service ⏎
# set ssh ⏎
# edit ssh ⏎
# set port 22 ⏎
# commit ⏎
# save ⏎

142.png
これで、外部からssh接続できる環境ができました。

TeraTermでPublic 経由で接続してみます。
144.png

以上で「⑦ VyOSネットワークの設定」完了!

10. おわりに

「VyOSを仮想サーバへインストールする」がメインでしたが、"CloudFuseでのObjectStorageマウント操作"、"ISOのイメージテンプレート化"、"仮想サーバでのISOブート方法"、"KVM Consokeについて"、"VyOSインストール"、"VyOS設定さわり"と色々な事を詰め込みすぎたかもしれません。

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