XBRLを知るためのまとめ記事。
有価証券報告書を使って何かやりたいとかなった時に、XBRLという言葉が出てきた。
結構概念をつかむのが大変だったので、この流れで読めば分かりやすい。っていうのを残しておく。
XBRLとは?(動画)
XBRL Japanによる、XBRLとはなんぞやを紹介している動画。
概念を知るためにはとてもわかり易く、HTMLと比較しているところとか上手い。
XBRLの構造
会計の文書は、XBRL・XMLなど複数のファイルによって成り立っている。
それぞれのファイルの説明を行っている記事。
実際にファイルを落としてみよう(EDINET)
実際の有価証券報告書などのXBRL文書は、EDINETが一般公開している。
報告書一覧が表示されているので、適当にXBRLカラムのXBRLファイルアイコンをクリックしてみると、ファイル一式がダウンロードされる。
落としてみるとわかるが、1つの文書は以下の様なファイル群で成り立っている
- インスタンス文書(*.xbrl):ビジネス報告情報を記述したXML文書
- タクソノミ文書:インスタンス文書の内容・構造・扱われ方などを定義
- タクソノミスキーマ(XML Schema)(*.xsd):インスタンス文書の語彙(要素名、属性など)をXML Schemaで定義。具体的な勘定科目名や注記事項などの項目を定義
- リンクベース(XLink)(*.xml):
- Presentation Linkbase:項目間の表示順を定義
- Calculation Linkbase:項目の数値データの重み付き加算式を定義
- Definition Linkbase:項目間の様々な関係(意味の同一性、項目の出現規則など)を定義
- Label Linkbase:項目の表示名称(ラベル)を定義(日本語/英語/中国語など様々な言語で定義可能)
- Reference Linkbase:参考文献(会計概念定義の根拠文献)を定義
まずはインスタンス文書を見てみる。
インスタンス文書
ダウンロードしたフォルダの中の、xbrlファイルをエディタで開いてみると、結構頭痛くなるタグの羅列が表示される。
よくよく構造を見てみると、会計の英語用語と、対象年、その値がずらっと書かれていることが分かる。
例:
<jpfr-t-cte:CashAndDeposits id="fact1" contextRef="Prior1YearConsolidatedInstant" unitRef="JPY" decimals="-3">23440832000</jpfr-t-cte:CashAndDeposits>
⇒前年度の連結時点(Prior1YearConsolidatedInstant)での現金及び預金(CashAndDeposits)は、23440832000円(JPY)でした。
Prior1YearConsolidatedInstantみたいなのの説明はこちら
Prior1Year/Consolidated/Instantで切るらしい。
次に、タクソノミ文書のタクソノミスキーマ(*.xsd)を見てみる。
タクソノミスキーマ
<link:linkbaseRef xlink:type="simple" xlink:href="jpfr-asr-EXXXX-000-2010-03-31-01-2010-06-28-presentation.xml" xlink:role="http://www.xbrl.org/2003/role/presentationLinkbaseRef" xlink:arcrole="http://www.w3.org/1999/xlink/properties/linkbase" />
⇒項目間の表示順を定義するPresentation Linkbaseには、"jpfr-asr-EXXXX-000-2010-03-31-01-2010-06-28-presentation.xml"(同じフォルダ内に入っているファイル)を利用します。という事を示している。ほかの全てのLinkbaseへのリンクも入っているので、各自ご確認を。
それではそれぞれのLinkbase(XMLファイル)を見てみる。
タグの名前が色々あるので、こちらのXMLファイル内のタグの説明を見てみると、わかりやすい。
Presentation Linkbase
項目間の表示順を定義しているファイル。
これがないと、規定された順番でデータが表示されなくなってしまう。
例:
<link:presentationArc xlink:type="arc" xlink:from="jpfr-t-cte_SellingGeneralAndAdministrativeExpensesAbstract" xlink:to="jpfr-t-cte_SuppliesExpensesSGA" xlink:arcrole="http://www.xbrl.org/2003/arcrole/parent-child" use="prohibited" priority="1" order="19" />
→ 販売費および一般管理費内の事務用消耗品費は17番目に表示してください
Calculation Linkbase
項目の数値データの重み付き加算式を定義しているファイル。
例:
<link:calculationArc xlink:type="arc" xlink:from="jpfr-t-cte_TotalChangesOfItemsDuringThePeriodTS" xlink:to="jpfr-t-cte_PurchaseOfTreasuryStockTS" xlink:arcrole="http://www.xbrl.org/2003/arcrole/summation-item" order="0.5" weight="1" />
⇒当期変動額合計(TotalChangesOfItemsDuringThePeriodTS)内の自己株式の取得(PurchaseOfTreasuryStockTS)のweightは1です。
link:calculationArc要素のweight属性:子要素から親要素に数値を加算するときに,その要素の値に適用する乗数を示します。値「1.0」はその要素の数値を100%親要素に加算し,「-1.0」は100%減算することを表す。らしい。
Definition Linkbase
項目間の様々な関係(意味の同一性、項目の出現規則など)を定義しているファイル。
Label Linkbase
項目の表示名称(ラベル)を定義しているファイル。
Reference Linkbase
参考文献(会計概念定義の根拠文献)を定義しているファイル。
最後に
今回XBRLの解読にもっとも役立ったのが、金融庁が出しているこのExcelファイル
この要素の意味は何?と思った時に、このファイル内で探すと、日本語の意味を教えてくれる。
このファイルを辞書代わりに利用すると、理解がとても早い。