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[AngularJS] 1. 初めの一歩

Last updated at Posted at 2015-11-30

目次
≫次の記事 2.モジュール、コントローラー、サービス≪改訂≫


※最下部のサンプルコードをHTMLファイルとして保存し、ブラウザで表示、ブラウザの開発ツールなどでソースコードを確認しながら読んでください。

AngularJSとは?

AngularJS は Google がリリースしている JavaScript MVCフレームワークです。
強力なテンプレート機能を備えており、JavaScript によるフロントエンド アプリケーション開発を大幅に簡略化、効率化します。

AngularJSの入手

AngularJSの本体jsファイルは公式サイトからダウンロードできます。公式の GitHub からも pull できます。
あるいは Google の CDN から読み込んで利用するのがオススメです。

sample01.html
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.3.15/angular.min.js"></script>

このようにAngularJSのjsファイルを読み込ませるだけで、AngularJSを利用する準備は完了です。

初めの一歩

ng-app ディレクティブ

最初に行わなければならないのは、HTMLのどの部分をAngularJSのテンプレートとして扱うか、を決めることです。
AngularJSテンプレートとして扱う部分を囲むタグに ng-app という属性を記述してください。

sample01.html
<div ng-app>
  〜 AngularJSテンプレート 〜
</div>

HTMLファイル全体をテンプレート化するならば htmlタグ や bodyタグ に記述するのがよいでしょう。

AngularJSではこのような ng-xxxx という属性を ディレクティブ と呼びます。
ng-app ディレクティブは、「この部分をAngularJSで処理するよ!」という宣言になります。

入力フィールド

次にデータ入力フィールドを2つ作りましょう。
商品などの単価と数量を入力するフィールドです。

sample01.html
<div ng-app>
    <form name="form">
        単価: <input type="number" name="price" ng-model="price" required><br>
        数量: <input type="number" name="qty" ng-model="qty" required><br>
    </form>
</div>

Tips
HTML5 から input要素に数多くの type が追加されました。type="number" は数値のみを入力できるフィールドになります。また required属性も HTML5 から追加された「必須項目」を表す属性です。
HTML5のフォーム要素

フォーム入力フィールドには ng-model というディレクティブを設定します。
ng-model は AngularJS の 特殊な変数とテンプレートを紐付ける ディレクティブで、特殊な変数のことを「 モデル変数 (あるいは単にモデル)」、紐付けることを「 バインド 」と言います。

ng-model ディレクティブでは、モデル変数名を指定します。

書式
<input|textarea|select|button .... ng-model="モデル変数名">

また、モデル変数には ハッシュオブジェクト(連想配列)要素を指定することもできます。

書式
<input|textarea|select|button .... ng-model="オブジェクト.キー名">

フィールドに値が入力されると、自動的に紐付けられたモデル変数の値が更新されます。

モデル変数の出力

モデルの値を出力するには2つの方法があります。

{{ ... }} タグ

1つは最も簡単な方法で {{ ... }} というAngularJSのテンプレートタグを使用する方法です。

書式
{{モデル変数 または 式}}
{{モデル変数 または 式 | フィルタ}}

フィルタ は出力時に文字列を加工するための機能で、AngularJS標準でいくつかのフィルタが用意されています。また独自のフィルタを作ることも可能です。

sample01.html
合計: {{price * qty | number}} 円

この例では前述の2つの入力フィールドの値を乗算した後、 number フィルタで数値書式(3桁ごとに "," を入れる)に加工して出力します。

モデル変数の出力時には、< や > などのHTML特殊文字は自動的にエンティティ(&lt;、&gt; など)にエスケープします。

ng-bind、ng-bind-html

もう1つはディレクティブを使用する方法です。<span>要素などで出力箇所を囲むタグに ng-bind または ng-bind-html ディレクティブを指定します。

書式
< ... ng-bind="モデル変数 または 式 | フィルタ">
< ... ng-bind-html="モデル変数 または 式 | フィルタ">

モデル変数、式、フィルタの記述をディレクティブの属性値として記述するほかは、{{ ... }} タグと変わりありません。

  • ng-bind
    • {{ ... }}の動作と全く同じです。「{」「}」を記述したくない場合(Smartyテンプレートなど)に便利です。
  • ng-bind-html
    • HTML特殊文字を エスケープしません。HTMLタグをそのまま出力したい場合、例えば複数行のテキストを <br>タグなどで改行させたい場合などに用います。ただしこのディレクティブの使用には、あらかじめ Strict Contextual Escaping(SCE)機能の設定が必要です(別途解説します)。
sample01.html
    商品名: <input type="text" name="itemName" ng-model="itemName" required><br>
    商品: {{itemName}}<br>

このように入力値をモデルへ、モデルを出力へと紐付ける仕組みを データバインディング と言います。

スタイルの制御

上記のコードをブラウザで表示し、ブラウザの開発ツールなどで確認すると、フィールド要素に ng-xxxx というclass が追加されているのがわかります。
これらは AngularJS が自動的に追加する class で、このclassを使ってスタイルを制御することができます。

代表的なng-xxxクラス

  • ng-valid | ng-invalid
    • 入力が 適切(valid) または 不適切(invalid) な場合にセットされます。例えば、type="email"のフィールドの値がメールアドレスの書式ではない場合などです。
  • ng-valid-required | ng-valid-required
    • 必須項目(required属性が設定されているフィールド)の入力の有無によってセットされます。
  • ng-valid-[type属性値] | ng-invalid-[type属性値]
    • type="number"type="email" など、フィールドの type によってセットされます。例)ng-valid-email ng-valid-number
sample01.html
<style>
    input.ng-invalid {
        background-color: #ffcccc;
    }
</style>

入力値のバリデーション

form要素

AngularJSでは form要素 を FormController というオブジェクトで管理します。name属性を指定することでそのフォームの FormControllerオブジェクトにアクセスできるようになります。

書式
<form name="FormControllerオブジェクト名"> ... </form>

ng-formディレクティブ

ng-formディレクティブは、form以外の要素を FormControllerオブジェクト化したい場合に使用します。このディレクティブを指定することで、 どんなHTML要素でもFormControllerオブジェクトにすることができます。
たとえば、1つのform要素内のフィールドを、いくつかのグループに分けてそれぞれを別のFormControllerオブジェクトで管理したい場合、すなわちフォームの入れ子を実現したいとき(※HTMLではform要素の入れ子は許されていない)などに便利です。

form要素のクラス

form要素にも自動的に前述の ng-xxx クラスが追加され、フィールドへの入力値によって変化します。これによりフォーム全体のスタイルを制御することができます。

FormControllerのプロパティ

フォームのFormControllerオブジェクトのプロパティによって、フォーム全体、および各フィールドのバリデーション状況を把握することができます。

書式
FormControllerオブジェクト名.$valid
FormControllerオブジェクト名.フィールド名.$valid
FormControllerオブジェクト名.フィールド名.$error.バリデーション種別
  • FormControllerオブジェクト名.$valid
    • フォーム内のいずれかのフィールドに不適切な値が入力されている場合に false となります。すべてのフィールドが適切であれば true です。
  • FormControllerオブジェクト名.フィールド名.$valid
    • 指定したフィールド(フィールドの name属性)のバリデーション結果を持つプロパティです。値が適切であれば true、不適切であれば false となります。
  • FormControllerオブジェクト名.フィールド名.$error.バリデーション種別
    • 指定したフィールドの、バリデーション種別(required, number, email など)ごとの結果を持つプロパティです。 エラーがある場合true になります。(※エラーが無い場合はプロパティそのものがセットされません)

ng-show/ng-hide と ng-if

条件式によってHTML要素の表示・非表示を制御するディレクティブです。条件式が true の場合に要素が表示されます。

書式
< ... ng-show="条件式"> .... </...>
< ... ng-if="条件式"> .... </...>
  • ng-show
    • CSSの visibility プロパティによって制御されます。したがって非表示でもHTML要素そのものは削除されず visibility: hidden で隠されているだけです。
  • ng-hide
    • ng-show と逆の動作をします。
  • ng-if
    • HTML要素そのものを追加・削除することで制御されます。

バリデーションエラーメッセージを表示する

以上のFormControllerプロパティとng-show/ng-ifディレクティブを使って、バリデーションエラーメッセージの表示・非表示を行ってみましょう。

sample01.html
        <span ng-hide="form.$valid" class="invalid">未入力の項目があります</span><br>
        商品名: <input type="text" name="itemName" ng-model="itemName" required>
        <span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>
        単価: <input type="number" name="price" ng-model="price" required><span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>
        数量: <input type="number" name="qty" ng-model="qty" required><span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>

全体のサンプルコード

いかがでしたでしょうか。
まずはなんとなく雰囲気が掴めたかと思います。
またAngularJSの強力なデータバインディング機能を実感していただけたかと思います。

以下は、本ページで解説したサンプルコードの完成形です。

sample01.html
<!DOCTYPE html>
<title>Angular Sample 01</title>
<meta charset="UTF-8">
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.3.15/angular.min.js"></script>
<style>
    input.ng-invalid {
        background-color: #ffcccc;
    }
    .invalid {
        color: red;
    }
</style>
<div ng-app>
    <form name="form">
        <span ng-hide="form.$valid" class="invalid">未入力の項目があります</span><br>
        商品名: <input type="text" name="itemName" ng-model="itemName" required>
        <span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>
        単価: <input type="number" name="price" ng-model="price" required><span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>
        数量: <input type="number" name="qty" ng-model="qty" required><span ng-show="form.itemName.$error.required" class="invalid">必須項目です。入力してください</span><br>

        商品: {{itemName}}<br>
        合計: {{price * qty | number}} 円
    </form>
</div>

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