#IBM i Access Client Solutions(ACS) とは何か
IBM i 用のクライアントソフトは「IBM i Access family」として提供されています。
IBM i Accessのサイトでファミリーのメンバーが確認できます。
プラットフォームに特化したクライアントには Access for Windows と Access for Linux がありました。
Access for Linux は既に廃止され、Access for Windows も Windows 8.1 を最後に、それより新しい Windows をサポートしていません。さらに2019年4月30日にサポートサービスが終了になります。
後継となるのが Access Client Solutions、通称「ACS」です。
ベースとなる部分はJavaで書かれていて、Java が動く環境ならどこでも、これまで動かなかった Mac での利用も可能です。
ACS の 1.1.8.0 以降は Java 8 以降が必要になりました。
ACSのパッケージ構成
ACS は 下記の 4つのパッケージで構成されます。
通常は Java 上の Base Package を使い、ODBC など OS ネイティブコードでの DB アクセスをする場合に、Windows/Linux Application Package を利用します。Windows 上の 5250セッションを EHLLAPI で操作する場合は EHLLAPI を導入します。
Base Package
通常 ACS と呼べば、通常この部分を指します。今回の一連の記事でも特に明示しなければ、この部分を示すこととします。Java で実装されていて、プラットフォームを問わずに動きます。
Host-on-Demand(HOD) ベースの 5250、データ転送、DB2 for i の操作などが可能です。
Windows Application Package
Windows に特化した部分です。ODBC、.Net、OLE DB といったWindowsのネイティブコードで実装する必要があり、Javaでは実装できない部分を提供します。
サイト では、下記が記載されています。
- Connectivity to DB2® for i using ODBC, .Net, OLE DB and XDA
- Programming Toolkit for accessing IBM i system objects
- Support for TLS/SSL connections
そのため、Windows 10 や Windows 2016 で IBM i Access を使いたい場合は ACS を使うことになります。
また、Access for Linux は既に入手できないようになっています。Linux で IBM i Access を使いたい場合は、やはり ACS を使うことになります。
Liux Application Package
Liux に特化した部分です。ネイティブコードで実装する必要があり、Javaでは実装できない ODBC を提供します。
サイト では、下記が記載されています。
- Connectivity to DB2® for i using ODBC
- Full support for 64-bit ODBC data types
- TCP/IP connectivity
- Installation and usage guide
rpm と deb の両方の形式で提供されています。
PASE Application Package
IBM i のPASE環境で稼働するオープンソースソフト用のDBCSドライバーです。
英文ですが、こちらに説明があります。
ODBC driver for the IBM i PASE environment
EHLLAPI
5250セッションをプログラムで操作したい場合、ACS では iAW や PCOMM でも利用できた EHLLAPI を使うことができます。
この場合、ACS EHLLAPI を導入します。
2019-02-18
- リンク切れなど情報の更新
- EHLLAPI を記載
2020-04-24 PASE Application Package を記載
「All About ACS」では IBM i に対する新しいクライアント「IBM i Access Client Solutions」の情報をいろいろ提供していきます。
記事一覧はこちらで確認いたけます。
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